トップページ  > 明治百景-百年前の三重県- >  > 舟木橋(多気郡三瀬谷村佐原・度会郡滝原村船木)※

舟木橋(多気郡三瀬谷村佐原・度会郡滝原村船木)※


写真


 宮川の上流、熊野街道が通る多気郡三瀬谷村佐原(現大台町)と度会郡滝原村船木(現大宮町)の間に架設された橋。宮川本流と支流大内山川の合流地点近くの要衝の地で、江戸時代にはこの場所に渡し場があった。明治35年(1902)木橋が架けられたが、洪水で流出したため、再び37年に起工し、翌年7月に写真の橋が完成した。2万8千余円の工費を投入し、「水面上九十七尺、長五十間、幅十二尺」の当時としては非常に高い橋で「四周山獄に屹立する」と『三重県案内』に表現している。さらに、橋脚は煉瓦造りで、目地や隅石の白色が煉瓦の赤色と対比されて非常に美しいものであった。昭和9年(1934)3月には木橋が鉄橋に架け替えられたが、橋脚は明治期のものを使用した。同42年に橋のすぐ上流側に国道42号線の舟木大橋が架けられ、通行は少なくなったものの、今後は三重県の貴重な近代化遺産として保存が図られることになるであろう(『三重の近代化遺産』)。

トップページへ戻る このページの先頭へ戻る