緒明造船場(志摩郡鳥羽町安楽島)
緒明菊三郎が計画した造船場。氏は明治初年に東京霊岸島に造船所を建設するが、焼失の憂き目に遭い、移転を繰り返したのち、三重県の志摩郡鳥羽町安楽島(現鳥羽市)に造船所を移す計画を立てた。『三重県案内』に「現に工事中に属す、今や湾内の浚渫及埋立を企て大船渠数個を設け倉庫を建設し・・・資を投すること百数十万」とあり、多くの経費を投入して工事を進めていたことがわかる。しかし、日露戦争で所有船が買い上げられてしまい、埋立工事も大工事のため完工を見なかったようである(『鳥羽市史』上巻)。