神社港(度会郡神社町神社港)
度会郡神社(かみやしろ)町(現伊勢市)のうち神社港は、明治元年(1868)に神社村を改称したものであるが、伊勢内湾に臨む一小市街で、江戸時代から多くの参宮客でにぎわった。17年当地に共同汽船会社が設立され、名古屋・豊橋と神社港の間に外輪旅客船が就航し(『日本地名大辞典 三重県』)、多くの参宮客が乗降したという。しかし、30年11月参宮鉄道の宮川・山田間が延長されたり、36年8月宮川電軌鉄道が山田・二見間で開業されたり、陸上交通機関の発展に伴い海運による参宮客は次第に減少していったようである。