トップページ  > 県史あれこれ > 全国初の有料道路・参宮有料道路

全国初の有料道路・参宮有料道路


 平成2年現在、県内の有料道路としては、東名阪自動車道・伊勢自動車道・鈴鹿スカイライン(平成9年無料開放)・パールロード(平成18年完全無料開放)などがあ りますが、全国で初めての有料道路が三重県にあったことは御存知ですか。昭和28年(1953)12月に開 通した参宮有料道路がそれです。この道路は旧国道23号の櫛田橋―度会大橋間を結ぶ10.6キロメートルで 、開通当時の通行料金は、普通自動車180円、小型自動車130円、軽自動車60円などとなっていました。 この料金は昭和31年に日本道路公団が誕生するまで三重県が徴収をしていました。この通行料金について、当 時の新聞は時間の短縮・燃料の節約等を考え合せてもかなり安いものであると報じています。それでも、開通当 初は全体に自動車数が多くなかったこともありますが、通行する車輌は少なかったようです。道路公団の記録に よれば、1日平均の通行車輌は31年504台、33年867台程度でした。34年1,323台、37年3,151 台、40年には4,815台とうなぎのぼりに増え、ついに開通以来13年4ヵ月後の昭和42年3月11 日には無料開放の運びとなり、この日より国道23号として、道路の管理が道路公団から建設省へと引き継が れたのでした。そして、昭和50年の国民体育大会開催に伴って南勢バイパスが完成すると、それに国道23号 の名を譲り、今は県道37号鳥羽・松阪線として利用されています。
 ちなみに、全国2番目の有料道路は、みなさんもよく御存知の日光いろは坂の有料道路で、昭和29年10月に開通しています。また、県内で2番目の有料道路は昭和38年2月に開通した名四国道で、これも昭和47年 12月に無料開放されています。このように、当初有料道路でのち無料開放となった道路は、北伊勢有料道路・青山高原有料道路・伊勢道路などがあり、いずれも県内の産業や観光事業の発展に大きく寄与しています。

(平成2年9月 平澤ひとみ)

開通時の参宮有料道路(「議会アルバム 昭和26〜30年」)

開通時の参宮有料道路(「議会アルバム 昭和26〜30年」)

参考文献

『松阪市史』第16巻 史料編 現代 昭和59年
『三重県史』資料編 現代2(産業・経済)平成4年
「道路公団料金収入調書」日本道路公団名古屋管理局蔵

トップページへ戻る このページの先頭へ戻る