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ユズリハ(Daphniphyllum macropodum)ウラジロ(Gleichenia japonica)

資料名  和名 ユズリハ
 学名 Daphniphyllum macropodum
資料名  和名 ウラジロ
 学名 Gleichenia japonica
資料番号  MPMP25662 資料番号  MPMP30443
分 類  ユズリハ科 分 類  ウラジロ科
採集年  平成6(1994)年 採集年  昭和54(1979)年
採集地  伊賀市(旧上野市)長田 採集地  志摩市志摩町(旧志摩郡志摩町)御座
ユズリハ  ウラジロ
解 説
 お正月ということで、おめでたいことにかかわる話題で始めたいと思います。新年を迎えるにあたり、正月飾りには縁起を担いで、ウラジロ、ユズリハ、ダイダイなどいろいろな植物が使われてきました。
 ウラジロは、シダ植物の一種で、鏡餅に敷いたり、しめ飾りなどに用いられます。その名のとおり葉の裏が白く「後ろ暗いことがないように」ということや白から「長寿」を連想させることなどから縁起がよいという諸説がありますが、はっきりとした理由については不明です。ウラジロを正月飾りに利用している地域は、関東以西に限られ、数多く生育している西日本では一般的なようです。
 また、ユズリハは、ユズリハ科に属する雌雄異株(しゆういかぶ)の常緑高木(じょうりょくこうぼく)です。春になり枝先に若葉が伸びてくると、前年の葉が若葉に後を譲るように落葉し、落ちた葉が肥料になります。このことが親が子を育て、家が代々続いていくことを連想させるため、縁起の良いものとされてきました。
 なお、このほかにもミカンの一種であるダイダイ(橙)は、鏡餅の上にのせられたり、しめ飾りにつけられたりしています。通説では「代々」栄えるという意味がこめられているとされています。ダイダイは、酸味が強く、風味がよいことから鍋料理に用いる「ポン酢」の素材の果実酢に利用されています。また、その果皮(かひ)は、乾燥させることで「橙皮(とうひ)」といわれる漢方薬になり、去痰薬(きょたんやく)、健胃薬(けんいやく)に用いられます。さらにおもしろい特徴としては、実った果実は冬を越しても落ちることなく、場合によっては2から3年にわたって枝についたままの状態となることがあります。春になるとダイダイ色に熟したように見えた果実が再び緑色になり、若返るようにみえることからこれもまた縁起の良いことなのかもしれません。
 三重県では、伊勢・志摩を中心に正月飾りの「しめ縄」を1年中玄関にかけておく風習があります。全国的には珍しいことですが、地元の人にとってはあたりまえのことです。ほかの地域で暮らすようになって、初めて自分が暮らしてきた地域の特徴に気づく人も少なくないようです。一度、自分たちの周りにあるあたりまえのことを見つめ直してみると意外な再発見があるかもしれません。
 (M)
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