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俳句のくに・三重

「天の一句」入賞句 選評

 

 天心に白き月ある神楽かな

 月が天心にあると言うから、夜に行われる神楽である。私は高千穂神楽を思い浮かべた。これは日向神楽とか岩戸神楽とも呼ばれ、夜を徹して行われる夜神楽である。神の来臨を仰ぎ、土地を浄め、火の神、水の神などを次々に祭り、岩戸開きを始め神々にちなんだ舞を行う。一つの神楽が終り、次へ移るとき、空を見上げたならは、天心に白々と月が輝いていたのである。月とともに夜神楽が静かに進んで行く様子が佳い。
(有馬朗人氏)

 潮かけるだけの祭を見て飽かず

 奇祭で知られる志摩は和具の祭であろうか。例年、六月一日の祭礼当日には、海女の好漁場である沖野大島神社へご神体が渡り、道中に行き合う者に潮を浴びせ掛けるのである。浴びせる者、浴びせられる者、みな、底抜けに明るく、正に海に生きる人たちの生命の生命の祭だl。潮を浴びせるのは海の神への禊の行でもあるもだろうか。
(三重県俳句協会)

 新涼や白布で包むお白石

 二十年に一度の伊勢神宮のご遷宮。神領である伊勢では、二見の興玉神社での浜参宮に始まって、ご用材のお木曳から五年の歳月をかけての諸行事を経て、このお白石持ちで準備が終る。お白石は宮川の上流で採取され、洗ひ浄められ、神前へ敷かれる時は、一つづつ白布で包み運ばれる。敬虔で厳かな民の心の神事だ。
(三重県俳句協会)                                          

 月天心万物影を正しけり

 月が天心にあって耿耿と地上をてらしている。その月光はすべての物をはっきりと照らし出し、画然とした影を作っている。このような明るい月光の下、すべての物は、居住を正し、その影もまたきちんと正しく整えられているのである。天心にある月の光を受け万物が静まり、影まで正しくしているということにより、月光の美しさと、月夜の粛然とした光景が佳く描かれている。
(有馬朗人氏)

 天と地と人を配して山桜

 「山桜」のために、まず「天と地」という大きな括りで、人の知恵や小賢しい自然論ではどうにもならぬ宇宙空間や山川草木をあらわし、これと同列に「人」を置いた句です。
 この句の主役は、「天・地・人」を従えている構図の中心に位置する「山桜」です。なんとも立派な主従の図ですが、きわめて自然な詠みぶりで、わざとらしくないよさがあります。
(宇多喜代子氏)

 天の凧見捨て少年老いにけり

 掲句は色々の解釈が可能で、凧揚げなど見捨て―やらなくなった少年はいつしか分別臭い大人になって面白味に欠ける、という読みでほぼ当たっている。無論、少年老い易く学成り難し―を踏まえて、遊べるときに遊ばないと、子供というものは直ぐに齢を取ってしまうものだと言っているようにも読める。見捨て、そして途端に老いる、この直結の早さが俳句の省略の妙。人生、一炊の夢のごとき含味を愉しませてくれた。
(中原道夫氏)

 薮椿天蓋として道祖神

 薮椿が一杯咲いてまるで道祖神を守る屋根の如くに揺れている景色を見事に描き道祖神の小さい姿迄も浮き出ている様である。道祖神とは道行く人を守る野仏でお地蔵様とは又少し違いよく野道の曲り角等に祀られている。藪椿は多くの花をつけて散るのも次から次へと華やかで赤々と根方を彩っている。この句から何かやすらぎを感じる事が出来て私はとても心惹かれたのであった。五七五の調べもよく天を天蓋とされたのも見事であった。
(星野椿氏) 

 虫の音の届くところに父の部屋

 二世代、いや、三世代同居の暮らしであろうか。老いを迎えた父の部屋には虫の音の届く部屋が良い。そんな家族一同の思いやりが、しみじみと伝わってくる作。今日もその父の部屋を包むように虫の音がひびき、そしてその虫の音へ父の部屋の灯がこぼれる。そんな静かな秋の夜。
(三重県俳句協会)

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 文化企画班 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.jp

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