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俳句のくに・三重

「風の一句」入賞句 総評

春風や新任教師舟で着く

今日はこの小さな島へ新任教師が着く日である。島ではもっぱら噂が絶えない。どんな方かしら、若い方かしらと期待の渦の中に、今や武蔵ばりに舟に乗り込んでの御到着。大勢の出迎えの人に囲まれて新任教師は颯爽と島に降り立ったのであった。折しも島は春風に包まれて皆の心に鮮やかな印象を残した。帽子をとって丁寧に御辞儀をする新任教師はやや恥ずかしそうでもあった。島に新しい風が吹き出した。この句の舟で着くと云う表現に親しみを覚えたのである。(星野椿氏)

剣聖の構へを直す菊師かな

秋の行楽地の呼び物の菊人形。その菊人形を毎日見廻る菊師、葉や花のおとろえたものを日々、挿し替え水を与えるのである。 今年の出し物の剣聖は大河ドラマの宮本武蔵であろうか。花の手入れが終った最後に剣の構えを直したのであろう。鮮やかに甦る剣聖の気合いと姿、目の付けどころが秀抜な作である。(三重県俳句協会)

マチュピチュは天空に座し風光る

マチュピチュはペルー南部の二千米の高地にあるインカ文化の中心地の一つである。切り立った山の鞍部にある。考古学特にインカ文化に興味のある人々が是非とも訪ねたい所。この俳句には、不思議な文化を持って栄え、しかも外から人がなかなか到達できない高山にある街の近くへ着いたときの感激がでている。まさにマチュピチュは天空に座しているのである。そして春風が光り輝き、さんさんと陽光がさす荘厳な光景が描かれている。(有馬朗人氏)

朝風に稲刈る音も加へけり

秋の朝、稲刈りを開始する。鎌で稲を刈る時のザクザクという音や、稲をさばいて置くかそけき音などが、耳元に聞こえてくる。ついつい、昔ながらの稲刈り風景を思うが、この音は、稲刈機の機械音であるのかもしれない。いずれにしても、稔り田を渡る「朝風」に「稲刈る音も」加えたということは、稲を作っている身にしてみれば、もっとも嬉しい日である。「音も」に、そのいきいきした気持ちが出ている。(宇多喜代子氏)

風音の詰つてをりし瓢の笛

瓢の笛とは蚊母樹の葉に出来る虫(えい※)(虫こぶ―昆虫の産卵・寄生によって出来る)のことを言う。寄生していた虫が羽化して飛びたったあと、中が空洞になり吹くとヒューヒューと鳴る。それをあたかも風が棲んでいるかのように、詰まっていると表現した面白さ。瓢の笛を眼前にすると、俳人ならずとも皆吹きたがる。(中原道夫氏)
※やまいだれに嬰

牡丹のくずれんとして風の中

くずれんとしてという中七にまだ崩れていない牡丹の姿がある。崩れそうで崩れない牡丹の強さというものを思う句で、そこに大きな紅牡丹のあでやかさが浮かぶ。一陣の風をやり過ごし次の風が又来ても猶牡丹は威儀を正しているのである。やがて夕風となっていよいよ牡丹は崩れてゆくのであるが、そこに時間の経過を思い、崩れる時の匂い迄伝わってくる感があり牡丹の品格を自ら表現して省略の利いた私の好きな句である。(星野椿氏)

生涯を土に屈みて稲の花

生涯というのは重いことば、そう簡単に使って欲しくないことばである。そんな論議の中で結局、この作品が浮上して来たのはやはり、季語「稲の花」の効用であろうか。 父祖伝来の土地に生まれ育ち、いまもその地に屈んでひたすら土に親しむ。そんな普遍的な農耕民族としての姿が、おおかたの人の素朴な共感を呼ぶのである。(三重県俳句協会)

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 文化企画班 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.jp

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