如来形坐像懸仏

にょらいぎょうざぞうかけぼとけ


指定区分

指定種別

有形文化財(工芸品)

指定・登録日

市町

志摩市

所在地

志摩市磯部町五知

所有者

福壽寺

員数

1面

構造

-

年代

南北朝時代(建武3、1336年)
関係サイト
関連資料

概要

 木造(檜材)。縦35.6㎝、横36.5㎝、厚さ2.8~3.0㎝の円盤形に加工した鏡面に、半肉彫の如来形坐像を釘留している。如来形は像高20.9㎝で蓮華座を伴う。肉髻をあらわし、両手は腹前で拱手し、前に垂れ下がった衣を表現している。鏡面と像の全体に彩色が見られるが、やや剥落している。全体に白土下地を施し、像は黄土で彩色し墨で目・眉・衣文等を描く。鏡板には二重円光の光背が描かれ、周囲には雲烟をあらわす。鏡板の上部2ヵ所を一木で突起状に仕上げ、それぞれに吊穴を設ける。鏡板の背面に「建武三年/二月」の墨書があり、制作年の下限を示している。
 拱手する如来像は珍しく、如来形ながら神像との関係も想起させる。像は素朴だが、紀年銘に見える建武3年の時期と大きな齟齬は無い。懸仏は金銅製のものが多く、木製のものは数少ない。それに加え、年代が明確であること、主像が珍しいことなど、極めて貴重な遺品である。

ページのトップへ戻る