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みえの文化びと詳細

地域 伊賀地域
名前 川村 真示(かわむら しんじ)

バリ島のレストランでの演奏風景
バリ島のレストランでの演奏風景

プロフィール 1957年7月28日伊賀市生まれ。建築家。
1998年 ライブキャンプ実行委員会を設立。代表を務める。
2002年 青少年の居場所づくりのため「音家」を立ち上げる。

自身ミュージシャンとして、またライブをこよなく愛する仲間たちの代表として活動してきたが、コロナ禍でライブ活動が難しくなったため、2022年現在、「音家」「ライブキャンプ」ともに活動を休止し、活動再開の方法を模索中。

【活動中に行っていた主な活動】
ライブキャンプ実行委員会の年間イベントとして
*忍者お花見ライブ(4月)
*七福神ストリートライブ(8月・市民夏祭り)
*天神祭りライブ(10月)
*カウントダウンライブ(12月)
*卒業ライブ(3月)
*だんじり蔵ライブ 
*新天地ストリートライブ(毎月第1土曜)
このほか出張ライブなど あらゆるライブを企画。
記事  ギタリスト・川村真示さんは、11歳でギターと出会ってその魅力にとりつかれて以来、ずっと芸歴を重ねています。

 仲間と演奏する場所を求め、1998年にライブキャンプ実行委員会を設立し、その代表として、プロフィールに記したライブシーンをプロデュースしてきました。ロックバンド特有の大音量などがネックとなり、なかなかライブ会場に会場使用をOKしてもらえないことが一番の悩みでしたが、その困難を逆手に取るかのように、「まさか、こんな場所で!」とびっくりする空間を会場にすることを得意としています。建築家ならではの視点が成せる技でしょう。

 その実績のひとつ、「だんじり蔵ライブ」は、「だんじり」を納めておく蔵で行うライブのことです。「だんじり」は祭礼で巡行する山車(だし)を指す西日本特有の呼称で、伊賀市に伝わる上野天神秋祭のダンジリ行事は国指定重要無形文化財に指定されています。同行事で使われる「だんじり」は、全部で9基あります。基本的には「だんじり」を所有する各町の蔵で保管されますが、そのうち3基を持ち回りで伊賀市役所隣のだんじり会館に1年間展示することになっています。川村さんは、その空になった蔵でロックのライブをやってしまうことを思いつきました。場の面白さも加わって、人気はうなぎのぼりでした。


 様々な苦労をしてもライブにこだわり続けるのは、お客さまの反応がすぐ伝わってくる、その楽しさ厳しさに魅入られたからだといいます。そんな川村さんに転機が訪れました。三重県が「青少年の居場所づくり事業」というプロジェクトを立ち上げたことを知った2002年のことです。そのプロジェクトに参加した川村さんは、ロックが大好きな中高生のための練習場所を作ろうと、「音家」を立ち上げました。

 「俺もそうやったからわかるんやけど、ロックバンドなんかやってると、親が嘆くわけ。お互いを理解できないから親子関係がものすごく悪い。でも、この子たちが思いっきり練習できて、それを披露できる場所を作ったことで、親子関係まで変わったよ。」

 重いアンプや音響機材は全て自分たちで運ぶ、ライブの後に出たゴミも自分たちで拾い片付ける、そういったことのため、川村さんは子どもたちに「まずは体力をつけるように」とアドバイスしたところ、バンドをしながら体育会系クラブに所属する子どもが増えるなど、「音家」に参加したことで、子どもたちの意識が変わっていきました。ギタリストとして彼らから尊敬される川村さんからの言葉の力でした。

 彼らが変わることで、彼らを見る親や大人の目が変わりました。それまで嘆きの対象だったロックの話題を、親子で興じる家庭も多くなりました。自覚が生まれた子どもたちは、時間管理もうまくなったそうです。早朝から音楽の練習をした後、図書館へ駆け込む毎日を過ごし、有名私大や国公立大学に次々に合格していきました。そして、そうやって進学して一旦ふるさとを離れた子も、帰省すれば「また伊賀に帰ってきました」と、まずは川村さんに挨拶しに来ます。そんなかつての音家のメンバーが、今参加している中高生を教えるという良い循環も生まれました。


 そうやって、いろんな既成概念を変えて、子どもたちとともに続けきたライブ活動ですが、2022年現在、長く続くコロナ禍で休止を余儀なくされています。限られた中高生の時代に「音家」に参加した子たちが、次の代に引き継いできたバトンが途切れようとしています。

 今、川村さんは、「音家」再開の方法を模索中です。川村さんと中高生たちの挑戦は続きます。

演奏風景
【上】熊本地震チャリティー(伊賀忍者ドライブイン)【下】ジャカルタ縁日祭(インドネシア遠征)
中高生
「音家」に参加する中高生たち
問い合わせ先 ライブイベント、「音家」(練習スタジオ)のお問い合わせは 090-2570-9287
e-mail shin2naniwa@msn.com
ホームページ  
取材機関 伊賀県民センター

(2022年5月30日改訂)
三重県 環境生活部 文化振興課
津市広明町13
TEL:059-224-2176
FAX:059-224-2408
登録日 平成22年6月16日

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