みえの文化びと詳細
地域 | 伊勢・志摩地域 |
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名前 | 太田穂摂
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プロフィール | 伊勢市在住の書道家。古典・古筆をベースに伝統を踏まえながら、現代に即した調和体で表した自身の作品の書を着物地の裂を用いて表装・額装し、発表しています。 1962年 三重県伊勢市生まれ 1995年 第27回日展初入選(以降20回連続入選) 2005年 日展会友に承認 2015年 国指定重要文化財賓日館にて個展(2017・2018) 2018年 伊勢神宮奉納米を使った特別酒「納蘇(なそ)利(り)」ヒカリ酒販のラベル揮毫 新書派協会に所属し、近藤摂南氏・土井汲泉氏に師事 日展に入選21回他、読売書法展等各展で入賞・入選多数、 大阪NHK文化センター講師。 新書派協会常務理事、読売書法会理事・審査員、穂(すい)の会(かい)主宰 |
記事 |
伊勢市二見町の賓日館(ひんじつかん)。太田穂摂さんの着物地で装丁された書の掛け軸が、雛人形と共に展示されていました。「あかりをつけましょ」に始まる「たのしい雛祭り」他二点です。漢字と仮名が調和した柔らかい書体の作品は読みやすく、親しみを感じます。また、装丁された着物地が書の作品とよく合い、部屋の雰囲気に溶け込み、心を落ち着かせてくれます。 太田さんは、小学校低学年から書道教室に通い、高校では芸術科目で書道を選択したことをきっかけに、後年、日本芸術院賞を受賞するなどして日本書壇をけん引した近藤摂南氏に師事しました。 太田さんは、タンスに眠る祖母の着物を書の装丁に使ったことをきっかけに着物地に合う俳句や言葉を書の題材に選び、それを書の作品にする手法で、独自の世界を生み出しました。 着物地の雰囲気と、書が溶け込んでいるのが特徴です。着物地の持つ品位を生かした、伝統的な書の流れを汲む表現が融合した作品です。「使われない着物地を書の力で思い出とともに甦らせたい。」と、語る言葉からは、太田さんの優しさや深さが伝わります。 太田さんは、形見の着物を用いて、依頼者の要望に応える作品を作り続けています。皆さんが喜ばれると、書作の疲れも忘れるほどとても嬉しいそうです。 太田さんの書道教室には、幼稚園児から八十代までの生徒さんが通っています。「丁寧に読みやすいに字を書くことは、他人への思いやり。字は一部を除き他人に書くものです。その視点でもう一度書を見直して。」「きれいな字は書くものではなく、形として脳に記憶するものです。」と、独自の指導方法で教えておられます。 お弟子さんたちは、「先生は、書に向かう姿勢がとても謙虚。自分を突き詰めていき、弟子にも厳しいですが、その人に合うフォローをしてくださいます。」「中国の書道史にも詳しく、書くこと以外も学べることが多い。」「書のセンスがいい。」と話されます。 今春、さまざまな縁が繋がり、関西で出会ったフランス人写真家夫妻の後押しもあり、2019年3月12日から16日までフランス・パリで、「太田穂摂書作展―神の国・伊勢からパリへー」と題した、全作品着物地で装丁した書の個展を行います。また、会場の一角には伊勢の街の紹介コーナーを設け、フランスの方々に作家が拠点を置く伊勢の街を知っていただこうという試みも行うそうです。 書に向かう太田さん 作品「寿」の書 |
問い合わせ先 | TEL: 090-4186-6410 |
ホームページ | https://suissuis.amebaownd.com/. |
取材機関 | 三重県環境生活部 文化振興課 〒514−8570 三重県津市広明町13番地 TEL 059−224−2233 FAX 059−224−2408 |
登録日 | 平成31年3月5日 |