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みえの文化びと詳細

地域 北勢地域
名前 森川 眞理子(もりかわ まりこ)

森川 眞理子さん
森川 眞理子さん

プロフィール パステル作家
2015年 第16回 全国公募日美展 入選
2015年 第16回 日本・フランス現代美術世界展 入選
2015年 第29回 パリ国際サロン ドローイング・コンクール部門 入選
2016年 第48回 欧美国際公募コルシカ美術賞展 特別推薦 受賞
2016年 第17回 全国公募日美展 入選
2016年 第17回 日本・フランス現代美術世界展 入選
2017年 第16回 三重県文化賞 文化新人賞 受賞
2017年 全国公募 第1回 日美展 入選
2017年 第31回 パリ国際サロン ドローイング・コンクール部門 入選
記事  森川眞理子さんは、陶器の花瓶に生けた花をテーマにした作品を多く制作し、その幻想的な色調に特徴があるパステル作家です。
 全国公募日美展、日本・フランス現代美術世界展、パリ国際サロン ドローイング・コンクール、欧美国際公募コルシカ美術賞展などの海外を目指す画家の公募展で、複数の入選を果たしています。2017年5月には、三重県文化賞の文化新人賞を受賞されました。

 森川さんがパステル画を描くきっかけとなったのは、突然襲った予想外の事故でした。森川さんは、8年ほど前まで、介護関係の仕事に就きながら、主婦業をこなす忙しい日々を送っていました。2009年5月、仕事で訪問したお宅で、ふらついた利用者を支えた際に、足を踏み外し転倒、運悪く花壇のブロックで後頭部を打ちました。
 初めは、たいしたことはないと、仕事への復帰を目指していましたが、数日後には耐え難い痛みとしびれに襲われ、立っていることすらままならい状態へと悪化しました。治療の施しようがない難病と診断され、痛み止めや湿布、安定剤で耐える日々を送りましたが、幸いにもある専門医の治療を受けたことで、症状を緩和することができました。
 このような闘病生活を送る中、病院でのリハビリ期間を終え、自宅でリハビリを続けるように医師から指示を受けました。そこで、先の不安を抱えつつも、リハビリの一つとして思いついたのが、絵を描くことでした。もともと、陶器、布などあらゆる素材に絵を描く「トールペイント」が趣味でしたが、腕の痛みとしびれで麻痺した指では、筆を持つことすらできなかったため、かろうじて力が入る親指と人差し指を使って描けるパステル画に挑戦することにしました。
 痛みや薬の副作用から長時間描くことができませんでしたが、同じ病気の人が亡くなった話を聞いたことから、「息子に何か残したい、この絵を残したい」という思いや、先が見えない難病への不安や苦しみに、「負けてたまるか!」という強い気持ちが起こり、痛みと戦いながらも、半年ほどかけて1枚のパステル画を仕上げました。
 その絵を2013年第14回「全国公募日美展」に出展したところ、初回ながら見事に入選し、その絵を気に入り、購入を希望する人も現れました。それは、森川さんにとって喜びと自信につながりました。森川さんは、「本来、楽天家なのかもしれません。1枚の絵から、画家として食べていこう、と決心しました。」と話し、その後、2、3枚の絵を続けて描き上げたといいます。

 森川さんは、小さい頃、画家だった祖父の影響で、絵を描くことは好きだったといいます。リハビリで始めたパステル画は、独学です。構図は感性によってバランスをとり、立体的に見えるように描いています。
 また、絵のテーマには、陶器に生けた花が多く使われています。花や自然に癒されること、病気の影響で紫外線に弱く、外で描けないことから、大好きな花を家に持ち帰り、花瓶に生けて描くことが多いそうです。
 今は、自宅のアトリエで描くだけでなく、教室にも通い始め、仲間と共に筆を持ち、油絵にも挑戦し始めました。そして将来、自分の作品集や、海外への出展経験などを生かした本を出版したいと語ってくれました。

 森川さんの病気は、完治の目途がない難病です。絵を描いている間は集中でき、痛みやだるさを忘れることができるといいます。そのような状態で描かれる絵は、やわらかい色とタッチから優しさを感じさせます。「つらい時期もありましたが、今は幸せです。病気を支えてくれる、人の優しさにも触れました。」と、優しく笑う森川さんの優しさと、強さが画風に表れていると感じました。
ピンクの海岸(バハマ)へ
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アレンジフラワー(水差し)
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取材機関 四日市地域防災総合事務所
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登録日 平成29年10月17日

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