みえの文化びと詳細
地域 | 北勢地域 |
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名前 | 安原 弘高
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プロフィール | 桑名市在住の画家、木工作家 出生地:愛知県 出身地: 静岡県浜松市 生年月日: 1971年8月22日 帝京大学文学部国文学科卒業 アメリカ留学 シアトル、ニューヨークに約1年半滞在 名古屋造形芸術大学短期大学部洋画コース卒業 主な展覧会 2001年 全日本アートサロン絵画大賞展 2002年 全日本アートサロン絵画大賞展 2003年 天理ビエンナーレ transit2003(市民ギャラリー矢田) 一日だけの個展(名古屋造形芸術大学) 中部行動展(2003年〜2011年) 名古屋造形芸術大学選抜展(名古屋市瑞穂区) 2004年 行動展 行動美術協会新人選抜展(東京新宿紀伊国屋ギャラリー) 2005年〜2008年 中部総合美術展 2011年 都市型アートイベント sebone(豊橋市水上ビル) 行動美術協会会友推挙 2012年 Yojo-Hanアートセンター立ち上げ ギャラリーgohon二人展(名古屋市本郷) woodland gallery2012 (美濃加茂市民ギャラリー) カモシカ音泉蚤の市(三重県湯の山温泉) gohon展(アートラボあいち) 2013年 woodland gallery2013(美濃加茂市民ギャラリー) sake+satoe展(タイ、バンコク) 2014年 美濃加茂アニュアル2014 木工ワークショップ「玉手箱」 現在毎月第4木曜日21:30〜ustreamにて、Yojo-Han Radio「押し入れ株式会社」配信中。 主な受賞歴 全日本アートサロン絵画大賞展佳作賞 中部行動展新人賞、佳作賞、東海テレビ賞、優秀賞 行動展新人賞 名古屋造形芸術大学短期大学部助手を経て、現在、名古屋、四日市、桑名などでこども絵画教室を開催。全日本児童美術協会会員、幼稚園講師、洋美会講師。中日文化センター講師。絵画教室gajiku(がじく)主催、カトラリーを制作する木工教室mokujiku(もくじく)主催、[Yojo-Han]アートセンターディレクター。 |
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桑名市在住の安原さんは、画家、木工作家、幼稚園児から大人まで幅広い年代の絵画教室の講師、カトラリー(食卓用のナイフやフォークなど)を制作する木工教室の主催と、多様な顔を持つ。はじまりは、子どものころから好きな絵画だった。その後、木彫と出会い絵画、木彫と作品を発表する。 高校時代に絵に興味を抱きながらも、進んだ進路は、文学部国文学科。絵に関心を示しながらも、企業就職の内定も決まっていた。その時期に、「語学留学でアメリカへ行かないか?」という話が舞い込み、決定していた就職内定を断り、アメリカへ旅立った。アメリカで芸大を目指すも縁がなく、帰国してから、名古屋造形芸術大学短期大学部洋画コースに入学、抽象画を描き始めた。 大学で洋画を中心に学ぶ中、写真、木彫を選択科目として選んだ。木彫との出会いはこの時。以後、絵画と木彫作品を並行して制作している。 全日本アートサロン絵画大賞展で佳作を受賞、木彫作品は、中部行動展で新人賞、優秀賞などを受賞した。 最近の木彫作品としては、2012年にギャラリーgohonで発表した、「mountain」(ボルダリングをイメージし、カラフルに配色した彫刻を壁に配置した作品)などがある。 絵画は、公衆電話や、ガスメーター、車などをモチーフに選んだ作品が並ぶ。特に公衆電話の作品が多い。20代によく利用した公衆電話への思い出と、なくなりそうなのに、形を変えながら残っている公衆電話に、無機質な物なのに人間味を感じ、愛着を持つという。そんな気持ちを表現した、公衆電話の作品は、今にも話しかけてきそうな、やわらかい愛着ある作品に仕上がっている。 木彫、絵画ともに、人の生活にかかわる無機質なものを、モチーフに選び抽象的に表現してきた安原さんが、スプーンやバターナイフといった、実用的なカトラリーを制作するきっかけは、友人4人で立ち上げた、名古屋の四畳半のアートセンター(Yojo−Hanアートセンター)。狭い空間で何ができるか、友人と話し合い、手元で作業ができるカラトリーの教室はどうか、と話が上がった。制作してみると、今までの自分の作品と違い、実際人が手に持って、生活の役に立つものを作れることに喜びを感じ面白くなった。木を糸鋸で切り出し形を作れば、小刀と彫刻刀の2本を使い手元で仕上げられる、細かい手先の作業。紙やすりを使う生徒さんもいるが、慣れると、小刀と彫刻刀だけで仕上げることもできる。最後の仕上げに、クルミで擦ると、クルミのオイルがほどよくのった温かみのある作品の完成となる。 近年、写真を和紙に印刷し、アクリル絵の具でさらに着色する作品も描きはじめた。病院に展示する絵画を依頼されたことがきっかけで、病院という場所を考慮し、今までの作品より、やわらかく優しい仕上がりにしたいと考えたという。モチーフは、今までと変わらず、ジェットコースターなど無機質なものだが、写真をわざと、二度、三度と重ねて印刷した上に、和紙独特のにじみを活かした着色を施すことで、無機質なモチーフをやわらかく、優しく浮かびあげる作品に仕上げている。 平成27年9月完成を目指し、制作するのは、カヌー。アトリエを訪ねてきた釣り好きの方が、自分でカヌーを作った話を聞いた後、名古屋の中川運河にカヌーを浮かべたいという話が持ちあがる。カヌーは初めてだが、設計図を取り寄せ、一般公募でプロ、アマを問わず興味がある人を集い、制作を試みる。 安原さんは、本来の自分のスタイルも続けつつ、人との出会いをきっかけに、他のジャンルにも挑戦し幅を広げている。 ―取材者から― 安原さんは、「鉄や石は硬すぎ、粘土もしっくりこない中、木は自分に合ってしっくりきた。」という。また、絵画と木彫の違う点は、木彫の道具(小刀や彫刻刀)を使い削っているときのほどよい抵抗感が、心地よいという。 絵画も木彫も、人間味を感じる温かい魅力的な作品に仕上げている。そんな安原さんだから、「木」という温かみのやわらかさのある素材がしっくりきたのではないかと、取材を終えて感じました。 絵画作品「roller coaster」(安原さん提供) 彫刻作品「mountain」(安原さん提供) |
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取材機関 | 桑名地域防災総合事務所 |
登録日 | 平成27年7月2日 |