みえの文化びと詳細
地域 | 東紀州地域 |
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名前 | 角谷 健一郎
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プロフィール | 愛知県碧南市出身 2011年4月 工房を自分で立て始める 2012年2月 火入れ 工房完成 |
記事 |
角谷さんは、文化庁が認定している刀匠を目指して、2010年に愛知県から祖母の自宅がある三重県熊野市五郷町湯谷という集落に移住し、自分で工房を建て始め完成させました。ふいごなどの鍛冶道具は熊野市内の元東紀州まちかど博物館『音鍛冶』を取り壊す時に譲ってもらったものもあります。 父親の仕事の関係で、小学校の2年間を台湾、中学校の1年間を上海で過ごす中で異国の文化に触れ、自分がいた国、日本の特異性がわかり、日本の伝統文化の素晴らしさに気づいたといいます。 地元の高校で進路に迷っていた頃、熱田神宮宝物館で見た日本刀の美しさに心を打たれて刀鍛冶になる決心をされたそうです。 高校卒業後、奈良県の刀鍛冶の工房に三年半住み込みで修業をし、さらに熊野市五郷町湯谷に移住後、和歌山県新宮市の鍛冶屋さんに約2年間師事して経験を積んできました。 隣の家まで何百メートルもあるという熊野市五郷町湯谷を選んだのは、刀鍛冶の音が近隣に響く心配もなく、仕事に集中できる環境や、きれいな水が豊富なためです。(熱した鉄を冷やすのに必要)生活に不便ではないですかとの問いに、『住めば都でまったく不便が無いです。僕は都会にあまり魅力を感じない。田舎は何も無いと言う人がいるけど、ここなら自由に何でもできると思う。』と答えてくれました。 角谷さんの祖母は、火を扱うことへの心配や将来の不安などもあり、この土地に工房を構えることに大反対でした。説得するのに相当な時間がかかりましたが、最後には根負けしてようやく納得してくれたそうです。 よく見ると仕事着には小さな穴が無数にあいています。これは、火床(ほど)で沸かした玉鋼(たまはがね:日本刀を作る材料)に鎚(つち)を打ち付け火の粉を浴びるため。 目標は、年に一回ある文化庁主催の刀匠の資格試験に合格し、たくさん刀を作って技術を磨き刀剣文化振興協会のコンクールで最優秀賞を取ることだそうです。今後は子どもたちに刀鍛冶の歴史や文化も教えていきたいと話されていました。 作業の様子 工房 |
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登録日 | 平成24年5月30日 |