みえの文化びと詳細
地域 | 東紀州地域 |
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名前 | 青木 健斉
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プロフィール | 尾鷲市北浦町に位置する妙長寺の住職、青木健斉さんは、刻字の楽しさを多くの人と共有したいという思いから、刻字体験を行う「でくのぼう会」を立ち上げました。のちにこのでくのぼう会は東紀州まちかど博物館「刻字でくのぼう会」として登録され、以降青木さんは館長として刻字体験活動を続けています |
記事 |
【青木さんと刻字】 木の板に文字を彫ることによって作られる刻字とは、楽しみながら精神統一をすることができ、彫り上げた作品は後に唯一無二の自分だけの記念品となります。尾鷲港に近い尾鷲市北浦町に位置する妙長寺の住職、青木健斉さん(64)がこの刻字を始めるきっかけとなったのは、自身のお寺で出すお札の版木を青木さん自身が彫って作成していたということでした。この作業をしているうちに字を彫ることそのものに楽しさとやりがいを覚えた青木さんは、この楽しみを仲間と共有したいという思いから昭和61年に「でくのぼう会」を立ち上げました。その評判は瞬く間に広がって立ち上げ当時は7人だった会員がわずか数年間で50人に達し、のちに公民館や学校からも子供たちへの教育の一環として指導の依頼がくるようになりました。のちにでくのぼう会は東紀州まちかど博物館にも登録され、青木さんは指導のほか尾鷲市内外での展示、実演など、忙しい日々を送りながら現在に至ります。 【刻字の魅力】 木の板に文字を延々と彫っていくという作業は一見高度な技術を要するように感じられますが、コツをつかめば誰でも簡単に彫ることができ、人間性や感性を高める魅力がたくさん詰まっています。「コタツに入りながらでも作業ができるため、老若男女を問わず楽しめる。その中で自分の好きな文字や絵を掘ることの楽しさ、充実感、そして精神統一することの大切さを皆で分かち合える」と青木さんは刻字に対する魅力を語ります。また、刻字の内容は人の数だけあり、般若心経から俳句、座右の銘、イラストにわたるまで様々です。 【刻字ができるまで】 (1)彫りたい文字やイラストが描かれた紙をホオノキの木版に糊で丁寧に貼り付けます。 (2)(1)が乾燥した後、文字の両側から専用のナイフを使用しながら彫っていきます。刻字の際に使われる主な掘り方は、文字の部分をVの字に掘りこむ「薬研彫り」と呼ばれるものです。彫る際初めのうちはなかなかカッターナイフが思うように動かず、手や肩に余計な力を入れてしまいがちですが、4〜5回ほどの経験で自然とスムーズに彫れるようになってきます。 (3)文字をすべて彫り終わった後、水性の塗料を全体に塗りこみます。しっかりと乾燥させた後、板をぬるま湯に10分ほどつけ込み、紙をはぎ取ります。 (4)(3)の後に日陰で風通しの良い場所でしっかりと乾燥させ、出来上がりです。 刻字体験は、毎月第二金曜日の夜19:00〜21:00まで、東紀州まちかど博物館「刻字でくのぼう会」にて行われています。 「刻字でくのぼう会」での刻字作業風景 刻字完成作品 |
問い合わせ先 | 住所:三重県尾鷲市北浦町2−1 電話:0597−22−3420 |
ホームページ | 刻字 でくのぼう会 |
取材機関 | |
登録日 | 平成23年12月27日 |