トップページ > みえの文化びと > みえの文化びと詳細

みえの文化びと詳細

地域 伊勢・志摩地域
名前 石原 真伊(いしはら まい)

「石原真伊さんとカツオ釣り船」
「石原真伊さんとカツオ釣り船」

プロフィール  石原真伊さんは三重県鳥羽市浦村町にある「鳥羽市立 海の博物館」の広報担当として活躍しています。大学ではスペイン語圏の文化や言語を学び、卒業後は三重県志摩市にあるテーマパーク志摩スペイン村に入社します。その後イベント企画会社などを経て、2007年4月から「鳥羽市立 海の博物館」の広報担当として勤務しています。新聞や雑誌、テレビの取材対応、SNSを利用した情報発信を行うほか、海の文化の魅力を伝えるために、企画展の提案などを行っています。
記事  「鳥羽市立 海の博物館」の広報担当として活躍する石原さんは、新聞や雑誌、テレビの取材対応、SNSを利用した情報発信などに加え、海の文化の魅力を伝える特別展の企画や来館者の受付案内、ミュージアムショップの商品企画など博物館の運営にかかわる業務を幅広くこなしています。
 「海の博物館」は、三重県内だけでなく、全国各地から集められた海に関する貴重な道具や資料を数多く展示しています。鳥羽市には、日本全国に約2,000人いる海女のうち500人以上が暮らしています。また、三重県が全国で初めて県無形民俗文化財に指定した「海女文化」の魅力を、海女人形が海に潜って漁をする姿や、海女小屋ですごしている様子を再現した展示などで分かりやすく紹介しています。2,000年以上の伝統を持ちながらも、高齢化などで厳しい状況にある「海女文化」の伝承や発信を担う博物館としてますます存在感を増しています。
 「海の博物館」の建物は、日本建築学会賞をはじめ数々の賞を受賞しており、船を逆さまにしたようなイメージの天井がとても印象的です。中に入ると、細部までこだわった漁村の様子が分かる模型や原寸大の漁師人形が乗ったカツオ釣り船の展示などがあり、子どもから大人まで楽しむことができます。約半世紀もの長い年月を重ねて収集してきた漁労に関する約60,000点(うち6,879点は国指定重要有形民俗文化財)の道具類にも圧倒されます。

 石原さんは三重県伊勢市で生まれ育ち、大学時代は大阪で過ごします。大学ではイスパニア語と中南米文学を学び、卒業後は、大学で学んだスペイン語圏の文化の知識やメキシコ、スペイン、アメリカ各国の遺跡、博物館、美術館などをたくさん訪ね歩いた経験を生かせればと、開業準備中だった志摩スペイン村(三重県志摩市にあるテーマパーク。1994年4月22日に開業)に入社します。
 入社後は、エンターテイメント課に配属され、90名を超えるアーティスト(ジャグラーやダンサー)たちの衣装や道具の修繕、スケジュール管理などを行う業務に就いてキャリアを積みました。「アーティストたちの能力をどう表舞台で輝かせるかを常に考えていました。」と当時を振り返ります。

 志摩スペイン村を退職後、東京や長崎に住まいを移し、イベント企画会社で主に舞台演出を裏方として支える仕事に携わります。その後再び三重県伊勢市に住まいを移し、鳥羽市にある「海の博物館」の広報担当として勤務します。

 現在、石原さんは「海の博物館」の顔となり、各メディアの取材に対応したり、海の文化の魅力を伝えるための企画展を提案したりしています。取材対応では、外に出る情報を正しく伝えるために、館内の学芸員や各関係部署から情報をもらったり、取材に協力してもらえるように調整したりと、日ごろから密に連絡を取り合うことが大切だと言います。
 SNSの場合は、情報を発信したら瞬時に反応が返ってくるので、やりがいがある分間違った情報は絶対に避けなくてはならないという緊張感をもって仕事に取り組んでいるそうです。
 石原さんは、これまでのキャリアやコネクションを生かして“魅せる”“見せる”にこだわった特別展やワークショップを多く企画しています。
 「海」の文化は、海中や沖など人々の目に触れにくい場所にかかわることも多く、石原さんは学芸員と一緒に様々なアイデアを出し合い、海にゆかりのない人々にも、わかりやすく、楽しく、伝える工夫をしています。
 また、日ごろから県内外のアーティストとの交流にも注力している石原さんは、「海の博物館」に観光客として訪れていた、プランクトンの世界的な研究者でありアーティストでもあるクリスティアン・サルデ氏との会話がきっかけとなり、平成30年4月14日から始まる企画展『鳥羽の海のプランクトン−美しきミクロの世界−』の開催実現に向けて話を進めたそうです。石原さんは、「クリスティアン・サルデ氏の作品を通して、海の神秘に満ち溢れた小さな生命の姿をご覧いただき、鳥羽の海に暮らす生物の多様性や進化、人との繋がり、海洋環境などに関心を持っていただけるきっかけとなれば嬉しいです。」と企画展の魅力について話してくれました。
 さらに、地域の方々とも連携し、「海の博物館」周辺の磯を利用した観察会などのワークショップを積極的に行っており、海の新しい魅力を発見しながら子どもも大人も楽しめるプログラムは毎回盛況です。

 石原さんに今後について伺うと、「広報担当として、取材に来てくださるのを待っているだけではなく、今以上にこちらから働きかけて、もっと“海の博物館”を紹介していただく機会を増やしていきたいと思っています。」と笑顔で話してくれました。
「石原真伊さんと籠(漁具)」
「石原真伊さんと籠(漁具)」
「石原真伊さんと海女小屋の海女人形」
「石原真伊さんと海女小屋の海女人形」
問い合わせ先 【所属名(勤務先)】鳥羽市立 海の博物館
【住所】三重県鳥羽市浦村町大吉1731−68
【電話番号】0599−32−6006
e-mail umihaku@umihaku.com
ホームページ http://www.umihaku.com
取材機関 三重県南勢志摩地域活性化局
地域活性化防災室 総務生活課
電話番号:0596−27−5111
E-mailアドレス:mbunka@pref.mie.jp
登録日 平成30年3月23日

戻る

ページのトップへ戻る