みえの文化びと詳細
地域 | 伊勢・志摩地域 |
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名前 | 小倉 均、小倉 直子
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プロフィール | ◇小倉 均 大紀町(旧 紀勢町)生まれ 大学の建築学科卒業後、設計事務所に勤務 1984年 旧 紀勢町にa+s設計事務所 開設 1994年 大台町にa+s設計事務所を移転 1998年 日本ログハウス・オブ・ザ・イヤー 最優秀賞 (瀧原診療所/大紀町) 2002年 大紀町にa+s設計事務所を移転 ギャラリー上野屋 開業 2013年 三重県建築賞 (伊勢外宮前勢乃國屋 豊恩館/伊勢市) 2014年 古道の宿 上野屋 開業 ◇小倉 直子 尾鷲市生まれ 大妻女子大学児童学部卒業 株式会社日立家電 東京営業所に勤務 1976年 煎茶 黄檗東本流 茶名授与 2002年 同・ギャラリー上野屋 開業 2006年 茶道教室「学び舎の会」開設 2007年 茶道裏千家 茶名授与 2010年 茶道裏千家 准教授授与 2014年 同・古道の宿 上野屋 開業 |
記事 |
とても静かな山間の美しい環境の中にあるギャラリー上野屋。目の前には清流宮川の支流、大内山川が流れ、一歩建物に踏み入れば、そこはどこか懐かしく、あたたかい空間が広がっています。 笑顔の素敵なオーナーご夫妻、小倉均さん、小倉直子さんにお話を伺ってきました。 【上野屋の歴史】 上野屋は約150年前、江戸時代後期には既に熊野街道の旅籠として営業していました。現在も周辺には旅籠の面影を留めた建物が残り、当時の風景を垣間見ることができます。しかし、上野屋は時の流れとともに旅籠から住宅へと用途が変わり、住宅としての使用期間が長くなるにつれ、その建物には生活の色が濃く残っていきました。 ご主人の均さんは、大台町に設計事務所を構えていましたが、2002年、現在の地へ移転する際、当時はまだ珍しかった「古民家再生」という手法を用いて、現在の上野屋を造りあげました。 「古民家の再生は新築を建てる時のように、完璧な図面をひいて建てるという訳にはいかないのです。解体しながら、その材の様子を見て、どの部分に再度活用出来るかを考えます。一日一日、大工さんと翌日の工程を考えながら時間をかけて再生していきました。」 と、均さんは話してくださいました。 完成までに要した期間は約一年。完成したのは古い材と新しい材が心地よく共生している古くて新しい上野屋でした。 【古民家再生への想い…「住み継ぐ」】 「木、土、紙、石から成る古民家。人がそこに暮らし、使い、手入れし、また使う。人々の生活に寄り添いながら、建物はゆっくりと深みを増してゆく。その佇まいを後世に伝えていきたい。」 均さんが再生した古民家は、古い雨戸を天井板にしたり、古い床の間の柱を別の場所の柱に活用したりと、思い出、思い入れのある材が多く使用されており、とても丁寧に愛情を込めて造られたことが感じられます。 _________________________________________________________________________________________________ また、ギャラリー上野屋では、奥さまの直子さんが地元の子どもたちに茶道や作法などを教えています。和を感じられる築150年の空間だからこそ感じられるものがあると話してくださいました。 【地域の子供たち×日本の伝統文化】 地元の茶会に参加するうちに和の文化に興味を持ち、経験のあった茶道をもう一度一から学ぶようになりました。学びを続けるうちに、尾鷲中学校や南島小学校で茶道の先生の助手を務めたことがきっかけで、「こども茶道」と出会いました。そこで子どもと共に学ぶことの喜びを経験し、自らも茶道の指導にあたるようになりました。これが「学び舎の会」の始まりです。 「学び舎の会」では茶道を中心に、書や着物などの日本の伝統文化や四季を感じること、所作や立ち居振る舞いなどを学びます。もてなす側が自ら楽しむことで「真のおもてなしの心」が伝わると考え、「楽しむこと」を会のテーマとしています。定期的にお茶会も行い、子ども達がおもてなしをしています。 習い始めは自信の無さそうな表情だった子どもが、学ぶにつれて成長し、お茶会では堂々と、しっかりした所作でおもてなしが出来るように変わっていきます。この成長がとても嬉しいです。今後も地域の子ども達と地域の方々をおもてなししながら、共に学んでいきます。 【ギャラリー上野屋・古道の宿 上野屋】 2002年に「ギャラリー上野屋」を開業して以降、様々な催しを実施し、地域の方々が様々な文化に触れる機会を提供してきました。陶芸個展、写真展、アレンジフラワーの展示、とんぼ玉の実演会、フォークライブや朗読会、茶会などを行いました。都会のど真ん中にある真っ白なギャラリーとはひと味もふた味も違い、時間を重ねることで深みを増した材や、光・風・風景など、自然を取り込んだ空間と展示が一体となった味わいを感じることができます。 また、この空間を利用し、2014年11月「古道の宿 上野屋」をオープンしました。150年前と同じ地で、同じ屋号でできることにとても縁を感じます。この空間で一晩過ごすことで昔の文化や暮らし、田舎の良さなど、何かを感じていただければと思います。 これからも地域文化の拠点として、地域の方々のみならず、町外・県外の方々にも日本の文化や美しい自然の残る大紀町の良さを発信し続けていきます。 〜ギャラリーの利用、見学について〜 是非お問い合わせ下さい。楽しい個展のサポートをさせていただきます。お茶事の会場としてもご利用いただけます。見学につきましても、お問い合わせ下さい。 ギャラリー上野屋内装 茶道のお稽古(ギャラリー上野屋にて) |
問い合わせ先 | 〒519−2802 ギャラリー上野屋 (古道の宿 上野屋) 三重県度会郡大紀町崎745 電話:0598−74−2301 FAX:0598−74−2302 定休日:火曜日 |
uenoya111@gmail.com | |
ホームページ | 古道の宿 上野屋HP |
取材機関 | 南勢志摩地域活性化局 |
登録日 | 平成27年2月4日 |