佐伯祐三「米子像」:X線連動比較画像   作品詳細

佐伯祐三が一時帰国した際に描いた作品。親戚である大谷作(さく)の肖像との説もあります。目や耳のあたりのエックス線画像を拡大して観察してみると、下に塗られた絵具が乾かないうちから絵具が上から塗り重ねられていていることがわかります。画家ブラマンクとの出会いによって、油絵の伝統的な描き方を根底から捉えなおした佐伯らしい表現です。「日」の字型に見えるのはキャンバスの木枠で、その角内側には修復の際に取り付けられた楔(くさび・キャンバス布のゆるみを直すためにつける三角形の木)の像が写っています。