トップページ > X線連動比較画像 > アレクサンドリアの聖カタリナ

ムリーリョ、バルトロメ・エステバン「アレクサンドリアの聖カタリナ」:X線連動比較画像   作品詳細

今から約350年前に描かれたこの作品をエックス線写真で観察してみると、特に下部を中心に下地(地塗り)を含めた欠損箇所が多く存在することがわかります。技法的には、明暗のコントラストを強調したスペインバロック期の典型的な描き方となっています。このエックス線画像で白色に見えるところにはシルバー・ホワイト(鉛白)が使用されていて、明暗の調節はこの白色絵具の割合を変えることによっておこなわれています。カタリナ像の向かって右側の背景には現在の作品とは違った画像がエックス線に写っています。中心に走っている太くて白い十字は木枠の縦桟(さん)と横桟です。