波切風景(下絵)


コレクション

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ジャンル

その他

作者名

宇田荻邨
UDA Tekison

制作年

1915(大正4)年頃

材料

紙本墨画淡彩

寸法

166×58.0

署名

左下:「荻邨」(朱文方印)

寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

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初出展覧会

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作品名欧文

Landscape of Nakiri (Study)
関連資料

解説

制作年不明のこの下絵は、おそらく大正三年から九年の時期に描かれたに違いない。というのも、このころから荻邨(てきそん)は、たびたび鳥羽志摩地方へスケッチ旅行に出かけているからである。
 大正三年に、荻邨は師の菊池芳文の勧めによって、京都市立絵画専門学校別科に入学する。同校の教授陣には芳文、竹内栖鳳(せいほう)、西村五雲、川村曼舟(まんしゅう)、菊池契月らの京都画壇を背負って立つ日本画家たちがいた。
 恵まれた環境の中で、荻邨は日本画の伝統とヨーロッパの近代美術との長所を取り入れて、新しい日本画の可能性を探っていた。
 この下絵に基づきながら細部描写を少し変えた本画の「波切風景」が残されているが、目を射るように明るい波切の自然は、むしろこの下絵において、より生きいきと表現されている。
 志摩半島の先端にある波切村は、一種の南国の趣を感じさせる地域である。大正時代には多くの画家たちがこの地を訪れて、作品制作を行ったが、もしかすると彼らの脳裏には、南国の島タヒチに逃れたゴーギャンの絵画が浮かんでいたのかもしれない。 (中谷伸生 中日新聞 1990年5月11日掲載)

展覧会歴

珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019)
コレクションによる特別展示 #StayMuseum ステイミュージアム(三重県立美術館 2020)

文献

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English
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