版画集 『小さな世界』 全12点
コレクション |
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ジャンル |
版画 |
作者名 |
カンディンスキー、ワシリー KANDINSKY, Wassily |
制作年 |
1922年 |
材料 |
木版、リトグラフ、ドライポイント・紙 |
寸法 |
35.5×28.0他 |
署名 |
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寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Collected Prints "Kleine Welten" (Set of Twelve Prints) |
関連資料 |
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- 小さな世界 Ⅰ リトグラフ:紙 35.3×27.7cm
- 小さな世界 Ⅱ リトグラフ:紙 35.8×28.0cm
- 小さな世界 Ⅲ リトグラフ:紙 35.4×28.0cm
- 小さな世界 Ⅳ リトグラフ:紙 34.4×28.8cm
- 小さな世界 Ⅴ 木版:紙 35.4×27.6cm
- 小さな世界 Ⅵ 木版:紙 35.9×31.3cm
- 小さな世界 Ⅶ 木版:紙 35.9×28.3cm
- 小さな世界 Ⅷ 木版:紙 35.8×30.5cm
- 小さな世界 Ⅸ ドライポイント・紙 29.9×26.7cm
- 小さな世界 Ⅹ ドライポイント・紙 29.8×26.7cm
- 小さな世界 ⅩⅠ ドライポイント・紙 29.3×26.8cm
- 小さな世界 ⅩⅡ ドライポイント・紙 30.2×26.7cm
解説 |
木版と石版と銅版各四点ずつ全十二点からなる版画集「小さな世界」のうちの一点。 木版で黄色、緑、青を使っているが、なんといっても地色の黒が印象的ではないだろうか。 具象的な物の形を吸い込んでしまう、カンディンスキー的な内部宇宙の暗黒。 しかしその上に、ひとめではなんだかわからない種々の形がひしめいて、にぎやかなリズムを奏でている。 もっとも、そこは小さいながらも宇宙なのだから、音は聞こえないけれど。 ロシア革命政府の文化政策に失望して、再びドイツに戻ったカンディンスキーは、一九二二年ワイマールに創設されたバウハウスに招かれた。 この作品は、この新しい環境でのいわば仕事始めである。 それまで繰り返してきた抽象画の実験のすべてを、いったん蓄えて、未来の可能性を探る。 試みはささやかだけれど、意図は大きい。 抽象画というのは決して国籍不明の作品ではないということも、カンディンスキーは教えてくれる。 彼の描く色はまぎれもなく、あのロシアの色だし、不思議な曲線を作る形もそうだろう。 忘れ難い個人的な記憶から生まれた形もある。 例えば、馬に乗った二人の男が、この黒い宇宙を疾走していくのが見える。 (東俊郎 中日新聞 1990年9月21日掲載) |
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展覧会歴 |
抽象美術へのいざない展(国立国際美術館 1995) プリント・ワンダーランド 親と子でみる版と版画(平塚市美術館 1995) 美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ(三重県立美術館 2021) |
文献 |
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