両手を開いた裸婦立像 *裏:顔と風景
コレクション |
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ジャンル |
水彩・素描 |
作者名 |
村山槐多 MURAYAMA Kaita |
制作年 |
1915(大正4)年頃 |
材料 |
鉛筆・紙 |
寸法 |
21.2×16.5 |
署名 |
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寄贈者 |
公益財団法人岡田文化財団寄贈 |
来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Standing Nude with her both Arms Open |
関連資料 |
解説 |
展覧会場にならんだ村山槐多の「素描・詩歌等原稿」を眺めていると、目につくのは〈踊る人物〉で、というのも、なにかひっ迫した力強さを感じさせる槐多のイメージに対して〈踊る人物〉はめずらしく、明るく、軽い。 〈踊る人物〉を槐多の内的要因と結び合わせることもできるだろうが、もうひとつ、一九一〇年代の前半に〈踊る人物〉のモチーフのブームがあった。これは、たとえば長谷川潔の版画などにも見てとれる。 つまり、〈踊る人物〉は、流行に鋭敏なはたち(二十歳)前後の、若者槐多の明るさ、軽さのあらわれであり、彼の日々をにじませているのである。 彼の明るさは、晩年の詩にもこんなかたちで顔を見せている。 「みなさま/御覧なされ/私の指さす方を/金・硝子玉・銀・鉄・大理石/あらゆる輝く物が握み合って叫び合ふ/灼熱したオベリスクだ/かっとぐちゃぐちゃと空に棒立つ/あれがすばらしい御殿だ、体積十億立尺米/(後略)」「宮殿指示」と題されたこの詩の出だしは、槐多の筆跡とともに愉快に力強い。よくもこんな建築物を想像したものだと、彼の奇想にほれぼれする。 槐多の短かった生きざまに、心揺れるのも当然だが、彼の愉快な明るさをひとつひとつ素直に拾って集めるのも槐多マニアへの一歩と思う。 (桑名麻理 中日新聞 1999年5月10日掲載) |
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展覧会歴 |
村山槐多のすべて(神奈川県立近代美術館 1982) no.100 生誕100年記念 村山槐多展(福島県立美術館、三重県立美術館 1997) no.1-100 日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.36 珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001) 岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004) 没後90年 村山槐多 ガランスの悦楽(渋谷区立松濤美術館 2009-2010)no.64 村山槐多の謎(岡崎市美術博物館 2011) |
文献 |
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