荷車を引くロバ
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コレクション |
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ジャンル |
水彩・素描 |
作者名 |
シャガール、マルク CHAGALL, Marc |
制作年 |
1914年 |
材料 |
鉛筆・紙 |
寸法 |
10.7×16.1 |
署名 |
右下:Chagall / 1914. |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
L'Ane transportant en charrette |
関連資料 |
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解説 |
光と色彩に溢れ、様々なモティーフが散りばめられて、さながら小宇宙のような感を呈したシャガールの油彩に比べると、この小さな素描は、いかにも地味で目立たない作品である。 荷車を引くロバというモティーフは、シャガールが生まれた今世紀初頭のロシアの田舎町ヴィテブスクでは、ありふれた光景であったにちがいない。しかし、こうしたごく日常的な光景こそシャガールの原イメージであり、彼の膨大な作品群の汲めども尽きぬ源泉であった。 たとえ飼い主と家畜という関係ではあったにせよ、まだまだ人と動物とが本当の意味で共生していた環境で生い立ったシャガールにとって、ロバに限らず動物は、人間に最も身近な存在であった。初期の写実的なスケッチのなかの動物は、やがてシャガール特有の幻想のなかで姿を変え、人格をもち、ときには人の姿と混じり合うことになる。 素朴で飾り気のないこの素描は、出発点となった原イメージとして興味深いだけでなく、そのとぼけた味わいもなかなか魅力的ではなかろうか。 土田 真紀 サンケイ新聞1993年1月31日掲載 |
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展覧会歴 |
マルク・シャガール展(埼玉県立近代美術館 2000) |
文献 |
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