無題 No.8-82


コレクション

-

ジャンル

彫刻

作者名

湯原和夫
YUHARA Kazuo

制作年

1982(昭和57)年

材料

鉄、ステンレススティール

寸法

250.0×238.0×242.0

署名

-

寄贈者

-

来歴

-

初出展覧会

-

作品名欧文

Untitled No.8-82
関連資料

解説

 広い敷地を有する三重県立美術館では、建設時より彫刻のある庭園が構想されていた。本作は美術館が作家に制作を依頼し、開館時から美術館前の階段踊り場に設置されている作品。4本の脚によって横向きの角柱を支える構造で、側面には部分的にコルテン鋼を用い、残りを鏡面仕上げとする。カーブした鏡面には鑑賞者や周囲の木々が映り込み、脚の間の空間には風が吹き込んで、美術館の空間に見事に調和している。
 湯原和夫は東京都に生まれ、東京藝術大学美術学部専攻科彫刻を修了後、国内の彫刻公募展で受賞を重ねて注目された。1960年代半ばより約20年間はフランスに拠点を持ち、作品と空間の関係性を探求した、冷厳で理知的な作品を発表した。ガラスや工業部品、人工皮革などさまざまな素材を採用しているが、とりわけ鏡面仕上げの金属は湯原が長年用いた素材である。湯原はその非情な風合いに加え、作品に周囲が映り込む作用に着目したが、本作においても鏡面を通して周囲の風景が彫刻の中に取り込まれ、作品の存在感が一層強められている。
(髙曽由子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

湯原和夫展(三重県立美術館 1988)no.55

文献

-
English
ページのトップへ戻る