大根など
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
森芳雄 MORI Yoshio |
制作年 |
1942(昭和17)年 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
72.7×60.6 |
署名 |
右下:よ |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Still Life with Daikon Radishes |
関連資料 |
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解説 |
東京に生まれた森芳雄は、慶應義塾普通部在学中に石膏デッサンを学んだ後、本郷絵画研究所に通った。1928(昭和3)年、一九三〇年協会洋画研究所で中山巍に師事した後、約3年間にわたりパリに遊学。その長い画業において、一貫して人間像を追求し続けた画家であり、凄愴(ルビ・せいそう)な終戦後の日本を裸体の男女で象徴的に表した《二人》(紀伊國屋書店蔵)は、日本洋画の金字塔と評される。 本作は、戦時中に、あらゆる抑圧の下で描かれた静物画。画中のサインは、ひらがなの「よ」を用いている。わずかに葉の残る大根、配給による変色した輪切りの大根、買い物かごが、水平、垂直を意識し、簡潔に配される。絵画化に適しているとは言い難いモチーフを、単純化された形態と抑制された色彩で捉え、作品を通して日本の社会情勢に対して抵抗を示した。1945(昭和20)年4月の東京大空襲で恵比寿のアトリエは全焼、作品の大半を失った。本作は木枠からはずし、巻かれた状態で救出された。画面には今も巻き跡がのこる。戦時中の森の活動の一端を示す貴重な作例である。 (道田美貴 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年) |
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展覧会歴 |
森芳雄展(三重県立美術館他 1991) 日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.70 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) コレクションによる特別展示 #StayMuseum ステイミュージアム(三重県立美術館 2020) |
文献 |
ワシオ・トシヒコ「森芳雄『大根など』」」『Bien』 33号(藝術出版社 2005.6) p.35 |