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橋から見たアルジャントゥイユの泊地


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

モネ、クロード
MONET, Claude

制作年

1874年

材料

油彩・キャンバス

寸法

62.0×81.0

署名

右下:Claude Monet

寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

Georges Petie, Paris Andre Schoeller, Paris 個人蔵, New York, 1971以来個人蔵, Lausanne, 1982以来

初出展覧会

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作品名欧文

The Port of Argenteuil Seen from the Road Bridge
関連資料

解説

 普仏戦争の混乱を避け欧州に居を転々としたモネは、1871年の暮れに祖国に戻るや、パリ近郊のアルジャントゥイユを制作の地と定めた。ここでの7年間が印象主義の画家としての彼を育んだといっても過言ではない。近代化の波がいまだアクセントとして景色を彩るに留まっているこの地において、揺籃期の印象主義の記録とも言える170余りもの作品を残した。
 プティ・ジュヌヴィリエの入り江は毎夏週末に開かれるヨットレースで賑わっていた。沈み行く夕日はまだ名残惜し気な空の青さを染め、夜の装いを急がせる。水面に反射する短い夏の黄金の光は、さながら繻子織りのごとき輝きを見せる。即興的に、しかしながら細心の注意を払って運ばれた筆遣いは一秒として同じ顔を見せぬ景色を効果的に演出する。
 しかしながらモネは1878年「ささやかに暮らし、順調に仕事もやってきたこの素敵な小さな家」と呼んだアルジャントゥイユのアトリエを引き払うことを決意する。かつて画家の心を捉えたものたちは無残に変貌してしまった。近代がもたらした便利さによって人口は膨張し、都市の矛盾が覆い隠せぬほど噴出し始めたのである。それは同時に印象主義の「古典時代」の終わりを告げるものでもあった。(生田ゆき)(三重県立美術館所蔵作品選集(2003)より)

[作品名(フランス語)]
Le Bassin d'Argenteuil vu depuis le pont routier

展覧会歴

秘蔵の名品アートコレクション展(ホテルオークラ東京 2004)
第1回印象派130年記念 モネ-光の賛歌-(奈良県立美術館 2004)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
クロード・モネ《印象・日の出》展(名古屋市美術館 2008-09)cat.no.8
セーヌの流れに沿って(ブリヂストン美術館、ひろしま美術館 2010-2011)
モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち―フランスの美しき街と村のなかで (ホテルオークラ東京  2013)
ヤマザキマザック美術館コレクション展 (ヤマザキマザック美術館 2014)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
黄昏の絵画たち(山梨県立美術館 島根県立美術館 神戸市立小磯記念美術館 2019)
シャルル=フランソワ・ドービニー展 印象派へのかけ橋(三重県立美術館 2019)
岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019)
コレクションによる特別展示 春をまちわびて 美術から考える自然との調和(=エコロジー)(三重県立美術館 2022)

文献

Daniel Wildenstein, Claude Monet Biographie et Catalogue Raisonne, Tome Ⅰ: 1840-1881, Lausanne-Paris, 1974, pp.258-259/cat.no.334.
『モネ展』、国立西洋美術館、京都国立近代美術館、1982-83、cat.no.10
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