ロマの女


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

ピカソ、パブロ
PICASSO, Pablo

制作年

1900年

材料

パステル、油彩・厚紙

寸法

44.5×59.0

署名

右下:P. Ruiz Picasso

寄贈者

三重県企業庁から引継

来歴

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初出展覧会

Galerie Bernheim-Jeune, Paris, 1908

作品名欧文

Romani Woman
関連資料

解説

 20世紀を代表するスペイン人芸術家パブロ・ピカソの若き日の作品。岩場のような場所に腰かけて海を臨むロマの女性が描かれている。煙突から煙が上る奥の建物はピカソが友人とよく通ったというバルセロナの居酒屋「ラ・ムスクレーラ」とされる。
 ピカソが青を基調とした画面に貧困や孤独の内にいる人物を描いた、いわゆる「青の時代」は、1901年にパリで始まったとされる。ただし、その作風を準備したのは、ピカソがそれまで身を置いていたバルセロナであった。本作はこの時期の作品。
 世紀転換期のバルセロナは、貧富の差が拡大し、暴動やテロが勃発する不安定な社会状況にあり、芸術家達の中には社会の周縁の人々やその貧困に目を向ける者も多かった。ピカソもその一人。本作では倹しい姿のロマの女性が描かれる。ロマは世界各地に点在する少数民族で、時として差別や迫害を被った。作中のロマの女性は、孤独でどこか物憂げな雰囲気を湛えている。こうした人物像に加え、海や女性のひざ掛けに用いられた目を引く青い色彩に、新たな表現様式の胎動がうかがえる。
(坂本龍太 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

[作品名(フランス語)]
La Bohémienne

展覧会歴

ピカソ展(名古屋市美術館 1998)
"Pablo Picasso, Metamorphoses of the Human Form", Stadthalle, Balingen, Germany from June 22 through September 24,2000, no.9, as Gypsey Woman
ピカソ展 誰でもわかる天才の名画 (福山美術館 2015)
ピカソ、天才の秘密(愛知県美術館 2016)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
Picasso: Painting the Blue Period (Ontaril Art Gallery, Toronto、The Phillips Collection, Washington 2021-2022)

文献

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