天使(断片)


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

関根正二
SEKINE Shoji

制作年

1918(大正7)年頃

材料

油彩・キャンバス

寸法

17.3×36.1(残存部分),59.1×44.7(イメージ部分),60.3×45.8(パネル)

署名

再現写真部分右下:SS

寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

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初出展覧会

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作品名欧文

Angel (Fragment)
関連資料

解説

 福島県西白河郡(現・白河市)に生まれる。幼少期に東京・深川へと移り住み、周囲からの影響を受けて画家を志す。16歳で洋画家としてデビューし、1918(大正7)年の第5回二科展で新人賞にあたる樗牛賞を受賞。「関根のヴァーミリオン」と賞賛された朱色、深い青緑などの鮮やかな色づかいと幻想性が溶け合った作品を次々と描くが、病に冒され、1919(大正8)年にわずか20歳で急逝した。
 この作品は、時期は不詳だが火災に遭い、中央部分だけが一部切り取られた状態で保管されていた。焼損前の白黒写真が残されていたため、当館に収蔵後、写真をほぼ原寸大に拡大複写した上に残された油彩部分を貼り付け、現在のようなパネルに仕立てられた。
 女性の腰部両脇と頭部横に宙を舞う子供が描かれていることから、1979(昭和54)年に白河市歴史民俗資料館で開催された展覧会の際に関係者によって《天使》と名付けられたが、当初の作品名は不明である。宗教的モチーフと関根がこの時期に多く描いた円光を頂く女性像である点から、制作年は1918年頃とされる。
(原舞子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

関根正二とその時代-大正洋画の青春展(三重県立美術館、福島県立美術館 1986年) no.1-18
生誕100年関根正二展(神奈川県立近代美術館、福島県立美術館、愛知県美術館 1999) no.1-51
珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
生誕120年・没後100年 関根正二展(福島県立美術館、三重県立美術館、神奈川県立近代美術館 2019-2020)

文献

中谷伸生「関根正二の絵画における『宗教的な気分』について」『哲学』(関西大学哲学会13号 1988)
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