信楽


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

須田国太郎
SUDA Kunitaro

制作年

1935(昭和10)年

材料

油彩・キャンバス

寸法

72.6×116.0

署名

左下:須

寄贈者

公益財団法人岡田文化財団寄贈

来歴

-

初出展覧会

第1回京都市美術展(京都市美術館 1935)

作品名欧文

Shigaraki
関連資料

解説

 西洋の新しい画風に追随する日本画壇の状況に疑問を呈し、独自の表現を追求した須田國太郎。日本洋画の成熟と評価されるその作風の確立への道程には、ヨーロッパの油彩技法の研究と修練があった。
 京都帝国大学で美学美術史を学んだ須田は、1919(大正8)年から4年間、主にスペインで古典絵画を研究、模写もしつつ自らの作画にも取り組んだ。帰国後、美術史学者として教鞭をとりながらも、1932(昭和7)年の初個展が認められて独立美術協会に迎えられ、以後、本格的な画業を展開した。
 《信楽》は、独立展に加わり意欲的な制作に励んだ時期の作品で、第1回京都市展出品作。手前に平地が広がり、背後を山並みが支える構成は、他の多くの作品にも見られるが、ここでは水平の線や建物の矩形が安定感を強めている。家々や山、手前の積み藁などに確かな立体感や遠近感を与えつつ、独特の渋い色調によって全体をまとめ、風景に場所や季節を超えた、より普遍的な風格をもたらしている。
(速水豊 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

第1回京都市美術展(京都市美術館 1935)
須田国太郎展(島根県立博物館、大津市歴史博物館、トキハ会館、名古屋市民ギャラリー、天満屋 1992) no.18
現代の近江八景展(滋賀県立近代美術館 1993) no.36
日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.66
三重県立美術館名品展Ⅰ 日本洋画の楽しみ(川越市立美術館 2003) no.5
珠玉の近代絵画~岡田文化財団コレクションより~(四日市市立博物館 2001)
岡田文化財団コレクション―珠玉の近代絵画展(そごう美術館・横浜 2004)
四季にはたらく―壁画・日本の四季をめぐって(小松市立宮本三郎美術館 2009)no.39
須田国太郎展 没後50年に顧みる(神奈川県立近代美術館(葉山)、茨城県近代美術館、鳥取県立博物館、京都市美術館、島根県立美術館、2012-13)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
岡田文化財団寄贈作品展(パラミタミュージアム 2019)
コレクションによる特別展示 春をまちわびて 美術から考える自然との調和(=エコロジー)(三重県立美術館 2022)

文献

島田康寛『近代の美術57 須田国太郎』(至文堂 1980) p.50
『(財)岡田文化財団10年の歩み 岡田文化財団寄贈作品集 三重県立美術館所蔵品から』((財)岡田文化財団 1990)
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