森の朝
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
菅井汲 SUGAI Kumi |
制作年 |
1967(昭和42)年 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
130×97.0 |
署名 |
右下: SUGAI(¨) 67 |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Forest in the Morning |
関連資料 |
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解説 |
まばゆい朝の陽光をうけて、真っ白のポルシェが、滑走路のような一直線のアウトバーンを疾走する。ハンドルを握る菅井汲の視界に入るのはただ、フロント・ウィンドの曲線に沿って光る陽光と、高速道路の舗装によって切り開かれた緑の森、そして速度計のみである。 菅井汲は1952年、戦後の画家としては最も早い時期に渡仏している。パリの新進抽象画家のグループ展《10月(オクトーブル)》に参加した菅井は、たちまち脚光を浴び、同展が開かれた画廊と契約して1953年、パリで最初の個展を行い、新エコール・ド・パリと呼ばれる一群の新進画家の一人に加わった。詩人のピエール・ド・マンディアルグは、菅井を絶賛し、彼の作品から解読される純粋な意味の暗示を、抽象絵画というよりむしろ現代詩に近いものと評価した。 1950年代のパリ画壇を嵐のように襲った、熱い抽象、アンフォルメルを超克するべく、菅井が試みた画面の記号化は、60年代に入って制作された「高速道路(オート・ルート)」のシリーズでさらに洗練されたものとなった。 森の朝を描いた画家は、連続した規則性をもつ日常にあって、高速で走る車を運転する時要求される緊張感を画面に定着し、どこかで不連続な瞬間を欲する現代人に潜む獣性を見詰めている。(荒屋鋪透)(三重県立美術館所蔵作品選集(2003)より) |
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展覧会歴 |
日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.90 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) |
文献 |
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