チャプスイ店にて


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

清水登之
SHIMIZU Toshi

制作年

1921(大正10)年

材料

油彩・キャンバス

寸法

71.3×56.3

署名

右下:TOSHI.SHIMIZU / 1921

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

独立美術家協会( The Society of Independent Artists ) 展(1922)

作品名欧文

In a Chop Suey Parlor
関連資料

解説

 清水登之がアメリカ在住時に現地の中華料理店を描いた作品。広東語に語源を持つ「チャプスイ」とは、アメリカ式中華料理の定番メニュー。炒めた肉や野菜にスープを加えて煮立たせたものを、米飯や麺にかけて食べる。この作品で肝心の料理はほとんど見えないが、客があふれる店内や、忙しそうに立ち去るウェイターの後ろ姿から、店の繁盛ぶりがうかがえる。
 東洋風の設えの店内には、さまざまな人物が集う。手前には仲睦まじそうに寄り添う男女が描かれる。男性が身に着けているのは、海軍水兵の制服。画面の右手で談笑する女性は、画家の知人である可能性も指摘される。画面の明度は決して高くないが、人物のボリュームある身体が鈍い光を放つ。
 作者の清水は1907(明治40)年にアメリカ西海岸に渡り、農園や工場で働きながら絵画を学んだ。1917(大正6)年にはニューヨークに転居し、類型化されない市井の人々を、表情豊かに描く独自の画風を確立する。本作はニューヨーク時代に清水が師事した画家ジョン・スローン旧蔵の作品でもある。
(鈴村麻里子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

日本洋画の青春展(岐阜県美術館 1987)
清水登之展(栃木県立美術館 1996)
日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.83
美術を楽しむ散歩道―三重県立美術館名品展Ⅰ 日本洋画の楽しみ(川越市美術館 2003)
清水登之とその仲間たち(とちぎ蔵の街美術館 2004)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
コレクションによる特別展示 #StayMuseum ステイミュージアム(三重県立美術館 2020)
美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ(三重県立美術館 2021)

文献

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