廃墟


コレクション

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ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

岡鹿之助
OKA Shikanosuke

制作年

1962(昭和37)年

材料

油彩・キャンバス

寸法

45.5×37.9

署名

右下: Oka

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

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作品名欧文

Ruins
関連資料

解説

 岡鹿之助は劇評家・岡鬼太郎の長男として東京に生まれ、10代の頃より画家を志して、父の知人である岡田三郎助に素描を学ぶ。21歳で東京美術学校西洋画科に入学するが、在学中は美術学校のアカデミックな画風に反発し、アトリエにこもりがちだったという。1924(大正13)年に卒業し渡仏、14年間フランスで制作活動を続けた。パリでははじめ藤田嗣治に多くを学ぶが、自作の絵肌や絵画思想に大いに反省するところがあり、構図や技法の研究に励む。考え抜かれた構図、形態の単純化、キャンバスの織目を生かしてこすりつけるように絵具をおく細かな筆触など、独自の画風を確立し、生涯貫いた。
 「廃墟」は1930年代終わりから手がけていた画題で、最晩年に至るまで様々なバリエーションが存在する。この画家らしい精緻な筆致で描かれているが、建物の部分は藁のように乾いた長い筆跡をつける一方、空は青、白、薄い黄色を点描風に重ねるなどの使い分けがなされている。小品でありながら、堂々たる風格を備えた作品である。
(原舞子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年)

展覧会歴

生誕100年記念 岡鹿之助展(京都国立近代美術館、福島県立美術館 1998)
日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.94
秘蔵の名品アートコレクション展(ホテルオークラ 2002)
岡鹿之助展(ブリヂストン美術館 2008)
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)
終わりの向こうへ:廃墟の美術史(渋谷区立松涛美術館 2018)

文献

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