幻影 1
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
アルバセテ、アルフォンソ ALBACETE, Alfonso |
制作年 |
1990年 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
170×150 |
署名 |
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寄贈者 |
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来歴 |
Galeria Nieves Fernandez |
初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Espejismo 1 |
関連資料 |
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解説 |
画面の外形と平行な方形が、入れ子状に内側へ重ねられていく。最も奥には、果物を盛った鉢がぼんやりと見える。 しかし、それは明るめのシルエットでしかなく、上から格子状に明るいグレーの帯を乗せられて、ますます遠ざかるばかりだ。静物を幾重にも囲む方形は、額縁、あるいは窓の隠喩(いんゆ)と読み解くことができるだろうか。縁と厳密に平行な入れ子は、静物だけでなく、画面そのものをも封印しようとするかのごとくだ。だが封印の意志自体が、封印から逃れんとする何ものかを呼びだしてしまうだろう。入れ子は細い直線を刻むことで、周囲に明るい黄をにじませてしまう。全面を覆う明るいグレーもゆらぎをはらんでいる。その時、静物は封印され、遠ざけられているからこそ逆に、見る者の憧憬(しょうけい)を引き起こすことだろう。イメージは、実体として現前するのではなく、不在であるがゆえに作動する。そうしたイメージの構造が、ここで主題とされているのだ。 (県立美術館学芸員・石崎勝基) |
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展覧会歴 |
「100の絵画・スペイン20世紀の美術(三重県立美術館 1991) no.92 |
文献 |
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