作品


コレクション

-

ジャンル

絵画(油彩画等)

作者名

浅野弥衛
ASANO Yae

制作年

1960(昭和35)年

材料

油彩・キャンバス

寸法

90.7×116

署名

右下:YAE. ASANO-1960.

寄贈者

-

来歴

-

初出展覧会

-

作品名欧文

Work
関連資料

解説

横長の白い画面に、四方の縁を残して、細い黒の線が縦横に走り回っている。線は、白の上から引かれているのではない。画布をまず黒の地で埋め、その上に白の層を重ねる。それを鋭いくぎのようなものでひっかいて、下層の黒を露出させるのである。
 こうした技法は、その即物的な性格ゆえ、物質の重みにひきずられ、表現を萎縮させる危険をはらんでいる。それを防いでいるのは、線自身の、バネを秘めた硬質な走行であろう。
 ために、線の強さと、針あとの細さ、および物質としての白の抵抗が共働して、画面に垂直にくいこむ緊張感をもたらすのだ。
 四周に残された白の縁が、自然な丸みではなく、ほぼ規則的な方形にされていることも、線の連なりを封じこめ、もって凝集感を与えよう。
 線の網目はよくみれば、完全に均一ではなく、微妙に集散・濃淡を示し、線の集合が生み出す空間をゆらがせている。全体に残された汚れが、白と黒の落差を緩和すると同時に、暗さ、すなわち空間の深みを強調するだろう。そして、右下の署名の赤が、アクセントとなって、作品を完成する。 (石崎勝基)125の作品・三重県立美術館所蔵品 1992年

展覧会歴

浅野弥衛展(三重県立美術館 1996)no.10
手と目の冒険広場『色の博物誌・白と黒』展(目黒区美術館 1998)
キャンバスに刻まれた魂~浅野弥衛の世界~(四日市市立博物館 2005)
三重の三人(三重県立美術館 2007)a-01
開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017)

文献

-
English
ページのトップへ戻る