コレクション

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ジャンル

絵画(日本画等)

作者名

前田青邨
MAEDA Seison

制作年

1914-15(大正3-4)年

材料

絹本着色

寸法

116×42.0

署名

左下: 青邨 「青邨」(白文長方印)

寄贈者

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来歴

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初出展覧会

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作品名欧文

Spring
関連資料

解説

しっかりした樹幹から、豊かに枝葉を伸ばしたしだれ柳が画面の大部分を占めている。背後には桜の木も顔をのぞかせ、小鳥が二羽飛び交い、新緑の下を二人の貴人が傘をさされて歩んでいる。
この前田青邨の作品は、東京芸術大学で青邨に学んだ平山郁夫によって「春」と題されている。
青邨の歴史画は事件、人物、風俗など主題は豊富で、表現もまた多彩である。青邨は大正三年、再興第一回日本美術院展に「竹取物語」、大正七年には「維盛高野之巻」という歴史画を発表している。この作品の制作年はわからないが「竹取物語」以後で「維盛高野之巻」を前後する時期の制作で、「春」の主題も、優雅な藤原時代の王朝文化に取材したものに違いない。
 軽妙な装飾性を保ちつつ、大和絵の伝統と深くつながり、深い自然観照を基礎に、大和絵や琳派を消化した青邨独特の的確な線描と、堅実な色彩をうかがうことができる。 (森本孝 中日新聞 1990年1月5日掲載)

展覧会歴

前田青邨-その人と芸術(山種美術館 1994) no.12
前田青邨展(名古屋市美術館 1995) no.15
日本の歳時-春・夏-(式年遷宮神宮美術館 1999)
青邨の芸術(古川美術館 2010.5.1~7.11)

文献

森本孝「館蔵品から 前田青邨《春》」『ひる・ういんど』(三重県立美術館ニュース) 27号 1989年
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