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館長就任にあたって

毛利伊知郎

4月から館長をつとめさせていただくことになりました。私はこの美術館の建設準備室時代から学芸員として勤務してまいりましたが、館長としては文字通りの新米です。至らぬ点も多々あろうかと存じますが、井上前館長に引き続き、ご支援とご鞭撻を賜りますよう改めてお願い申し上げます。

 ご承知のように、昨年度、三重の美術館は開館30周年、友の会も30周年を迎え、年度が改まったこの4月から新たな一歩を歩み始めました。

 友の会30周年記念誌にも書かせていただきましたが、この30年間に友の会は実に様々な活動を行ってきました。それらは、その時々の状況の中で出来うる限り最善をめざした関係者の方々のご尽力があってのことだと思っています。

 大都市がなく、県全体の人口も多くない三重の地域特性は、集客等を考慮しますと、残念ながら美術館活動には利点とはいえません。それは、美術館友の会の活動に関してもあてはまります。

 そうした中にあって、美術セミナーや移動美術館は、三重の地域特性と美術館の使命を考慮して考えられた、大きな意義を持つ活動だと私は思っています。

 数量的な面ではハンディキャップを背負った三重で、どのような美術館、美術館友の会であれば、より大きな存在意義を持てるのか、また会員や地域の人々に貢献できるのか、私はこれからもさらに考えを深めていきたいと思います。

 ところで、三重の美術館を取りまく環境は、近年大きく変わりつつあります。三重県の財政難は長期化しつつあり、その影響は大きく美術館に及んでいます。また、来年4月には新県立博物館が美術館の近くに開館します。開館以来、最大の転換期といえるかもしれません。

 こうした環境の変化に対応して、運営、予算、展覧会等をはじめとする美術館活動をどのようにしていくか、課題は数多くあります。社会の変化に合わせて変えていくべきものと変えてはいけないものとを良識をもって判断していきたいと思います。その際に決して忘れてはならないことがあると私は考えています。

 それは、この美術館に多くの方々が寄せてくださっている信頼と評価を損なうようなことをしてはならないということです。この信頼と評価は、30年の年月をかけて先輩たちが築いてくれたものです。目先の利益にとらわれ、あるいは安易に流されたりして、皆様の信頼を失うことだけは避けたいと考えています。

 美術館にとって苦難の時代は続きますが、友の会の皆様には、これまで以上にご支援をいただきますよう重ねてお願い申し上げてご挨拶とさせていただきます。

(友の会だより92号、2013年8月31日発行)

 

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