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井上館長、7年間ありがとう インタビュー

本年3月をもって勇退される井上隆邦・第4代館長に、広報活動部が、感謝とお礼の気持ちをこめて、インタビューしました。

―7年前、館長に就任されたとき、「より開かれた、魅力に富んだ、そして三重からの美術の発信」をキーワードに掲げ、ご尽力され、数々の業績を残されました。特に2012年度の企画展は、それを見事に結実、達成されたように感じましたが…

館長 着任以来、魅力ある、開かれた美術館を目指してきたつもりで、その集大成が「蕭白ショック!!展」「KATAGAMI Style展」などといえるかもしれません。私は旗ふり役で、担当の学芸員が頑張ってくれました。人に恵まれたといえます。

―二つの企画展は、グローバルな文化交流を示す画期的なものとして、美術ファンを驚かせました。フランス等海外で活躍された館長のお力が大きかったのではありませんか?

館長 30周年記念事業の企画展をどうするか、4〜5年前から課題でした。本県の伝統工芸「伊勢型紙」について、これまでとは異なった切り口で取り上げられないか検討していたところ、19世紀末、伊勢型紙がヨーロッパ各地に伝わり、かの地の美術・工芸に大きな影響を与えたこと、また近年、日本女子大学の馬渕明子教授らで作るチームがその調査・研究を進めていることを知りました。このチームに当館からは生田学芸員が参加し、今回の企画展につながったのです。

―館長は、講演や新聞・雑誌等いろいろな機会に、美術を通した地域文化の振興を提言しておられますが、現状をどう思われますか?

館長 日本の伝統工芸は高い技術を持っていますが、残念ながら現状では衰退しています。高い技術力をほっとくわけにはいかない。現代に甦らせ、新しい使い方を創造しなければならないと考えています。
今日の地元紙で、型紙3000点を所有する伊勢丹が、型紙の模様をあしらった商品を開発し、都内3店舗で販売したところ好評であったことや、鈴鹿市の型紙職人が米国の博物館所蔵の型紙の復刻作業に取り組んでいることが報道されています。こうした取り組みは、型紙を現代に甦らせる一つの試みでしょう。また、甲府の印傳屋は、財布などの革製品で有名ですが、こうした革製品の模様を施す際に型紙を使っています。型紙が有効活用されている実例です。

―友の会は、館長に大変お世話になりましたが、今後の在り方にご助言いただけませんか。

館長 どうやって若い層に参加を求めていくか、これが、重要なテーマだと思います。昔とは違って若者は選択的に美術館を使う。また、グループ活動に喜びを見出さない傾向があります。多様な視点から若者を惹きつける知恵と工夫が大切だと思います。

―ありがとうございました。今後も益々のご活躍を祈念しております。

(友の会だより no.91 2013.3)

 

友の会だより文集抄

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