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美術館 > 刊行物 > 学芸室だより > あいさつ > 館長就任のご挨拶 毛利伊知郎 2013.4.1

館長就任のご挨拶

毛利伊知郎

 この4月から館長をつとめさせていただくことになりました。井上隆邦前館長に引き続き、ご支援とご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 さて、昨年度は当館にとって開館30周年という節目の年でした。今年度から当館はこれまでの活動を踏まえて、新しい一歩を踏み出すことになります。県立美術館として三重に関わる美術、文化を紹介することに力点を置くと同時に、幅広い視野のもとに内外の様々な美術についても目配りすることを基本に活動を続けていきたいと思います。また、美術は、文学、音楽、演劇など他の芸術、自然科学やテクノロジーとも深く関係しています。今後は、こうしたこともより強く意識したプログラムを組めればと考えています。

 ところで、近年わが国の公立美術館は、多くが地方自治体の財政難の影響を強く受けています。当館も例外ではありません。この財政難は当面続くでしょう。このような状況下で美術館をどのように運営していくか、なかなか難しい問題です。多額の経費を必要とする大量集客型の大規模な展覧会を三重県で開催することは、今後は非常に困難です。

 イベント的な展覧会をいたずらに目指すのではなく、過去30年間に蓄積されたコレクション、学芸員の専門的知見を活かして、芸術体験の本質的な意味を皆様に息長く伝え続けることが、この美術館のこれからの大きな役割ではないかと考えています。

 経済的豊かさ、商業的繁栄だけではない、味わい深く幸福な人生と生活、地域社会を皆様とつくっていく、そうした役割を果たすことができる美術館を目指したいと思います。

 それにしても、美術館がアクティブに活動していくためには皆様方の応援が何よりも必要です。これからも末永く三重県立美術館に暖かいご支援をいただきますよう重ねてお願いして、館長就任のご挨拶とさせていただきます。

2013年4月

 

 

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