開館30周年記念
KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン
2012年8月28日(火)―10月14日(日)
開館時間=9:30―17:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日=9月3日(月)、10日(月)、18日(火)、24日(月)、10月1日(月)、9日(火)
観覧料=一般 1000(800)円/高大生 800(600)円/小中生 500(300)円 *( )内は前売り料金および20名以上の団体料金。
主催=三重県立美術館、日本経済新聞社、中日新聞社、三重テレビ放送
助成=公益財団法人岡田文化財団、公益財団法人三重県立美術館協力会
協賛=井村屋グループ、岡三証券株式会社、株式会社第三銀行、株式会社百五銀行、株式会社三重銀行、日本トランスシティ株式会社、三重交通グループ、有限会社和田金、主体会病院、小山田記念温泉病院、三重県民共済生活協同組合
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展覧会の概要
「型紙」とは、江戸小紋や長板中形、型友禅などの染色工程で用いられ、和紙を柿渋で貼り合わせた地紙に、特製の彫刻刀で精緻な文様を彫りぬく日本の伝統工芸です。江戸時代中期以降、三重県鈴鹿市の白子・寺家地方が、独占的に制作・供給し、型紙といえば「伊勢型紙」と呼ばれるほどになりました。
この日本の染色文化の大きな柱を担っていた型紙が、19世紀後半、江戸から明治へと時代が移り変わるちょうどそのころ、何千何万という単位でヨーロッパを中心とした海外へもたらされた事実はほとんど知られていません。型紙のもつ繊細かつ斬新なデザインは、現地の画家や工芸家、デザイナーたちに大きな影響を与え、各地で浮世絵に次ぐ、「もうひとつのジャポニスム」と呼ぶべき熱狂の渦が巻き起こりました。
2012年8月、三重県立美術館30周年を記念してお送りするのは、日本の伝統工芸である「型紙」を軸に、ヨーロッパやアメリカの近代さらには現代の美術まで、時代やジャンルを超えて横断する、全く新しい試みの展覧会です。 展覧会は、国内外の70か所にものぼる所蔵先から集めた作品約400点によって構成されます。「型紙」から「KATAGAMI」へ。ある時は絵画に、ある時は工芸に、ある時はデザインに。様々な形で織りなされる型紙をめぐる物語をぜひご堪能ください。
展覧会の構成
1章 型紙の世界━日本における型紙の歴史とその展開 2章 型紙とアーツ・アンド・クラフツ━英米圏における型紙受容の諸展開 3章 型紙とアール・ヌーヴォー━仏語圏における型紙受容の諸展開 4章 型紙とユーゲントシュティール━独語圏における型紙受容の諸展開 5章 現代に受け継がれる“KATAGAMI”デザイン
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主な出品作品○1章 《型紙 銀杏》1796(寛政8)年、東京藝術大学 《縹麻地源氏車青海波模様素襖上下》、江戸時代・19世紀 国立能楽堂 《黄地霞に枝垂桜と流水草花に飛鳥模様紅型衣裳》琉球王府時代・19世紀、女子美術大学美術館
○2章 シルヴァー・スタジオ《表紙デザイン(ロットマン社カタログ)》1895年、住宅デザイン・建築博物館(MoDA) アーサー・シルヴァー《壁紙デザイン》1890年頃、住宅デザイン・建築博物館(MoDA)
○3章 ウジェーヌ・フイアートル《ボンボン容れ : さくらんぼ》1901年頃、オルセー美術館 ルネ・ラリック<香水瓶《赤い珊瑚》>(フォルヴィル社)、1925年頃、飛騨高山美術館 モーリス・ドニ《家族の肖像》1902年頃、個人蔵
○4章 作者不詳《ティー&コーヒー・サーヴィス・セット:蔦》1902年、ヴュルテンベルク州立博物館、シュトゥットガルト アーデルベルト・ニーマイヤー《花器》1907-08年、ニンフェンブルク磁器製作所
*会期中、展示替えを行います。
KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン 出品作品リスト
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会期中のイベント
1)伊勢型紙彫刻・江戸小紋染色実演 ○江戸小紋 9月1日(土)、2日(日)午後2時から 藍田正雄、藍田愛郎
○伊勢型紙 会期中の上記以外の土日祭日 午後1時~午後4時 伊勢型紙技術保存会 会場:県民ギャラリー前
2)講演会 *終了しました。 9月15日(土)午後2時から 「KATAGAMI Style ━もうひとつのジャポニスム」 馬渕 明子(日本女子大学教授)
3)記念シンポジウム *終了しました。 9月23日(日) 午後2時~午後4時 「現代に生きるKATAGAMI」(仮題) 熊谷 博人(ブックデザイナー)/出澤 忠利((株)印傳屋 上原勇七 取締役総務部長)/三好 拓夫(三好染工(株) 代表取締役)
4)ジャポニスム学会例会(一般聴講可) *終了しました。 「世界に広がる型紙 型紙研究の最前線」 会場:美術館講堂(定員150名、先着順、開場は午後1時30分) お問い合わせは
5)伊勢型紙型彫・江戸小紋記録映像(約1時間)を常時エントランスホールにて上映
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同時開催
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伊勢型紙・江戸小紋 記録映像
三重県の伝統工芸である「伊勢型紙」は、着物や浴衣、手ぬぐいなどの文様を染める際に用いられ、鈴鹿市白子、寺家、江島地方を中心に生産されています。江戸時代に同地が紀州藩領となって以降、型紙販売商人が全国を行商するための様々な特権が認められたことから、伊勢型紙は東北から九州までその名を轟かせました。この映像では、伊勢型紙の代表的な技法とともに、型紙を用いた江戸小紋の染色工程をご紹介します。
本映像は、三重県立美術館が提案し、2011年度文化庁の助成事業として制作されました。
伊勢型紙・江戸小紋 記録映像 (三重県ホームページが開きます。)