新年のごあいさつ
井上隆邦
明けましておめでとうございます。
美術館は今年、創立30周年を迎えます。この30年間を顧みますに、様々な出来事がございました。こうした中、先ずもってご披露しておきたいことは、美術館の生命線とも云える所蔵コレクションの充実です。開館当初、360点ほどでスタートした所蔵作品も現在は5000点を越えました。また当館では、これまでに企画展を290回開催し、様々なジャンルの美術作品を紹介して参りました。取り上げたジャンルも近・現代美術、日本画、彫刻、デザインなど広範多岐に亘ります。
美術館の増改築も重要な出来事でした。増改築の結果、近代日本を代表する彫刻家の一人、柳原義達の記念館が誕生しました。
さて、4月から始まります新年度は、特別な年ということもあり、これまでの活動の集大成とも云える企画展を準備しております。開催予定の企画展は全体で5本ですが、30周年記念と銘打った企画展は、6月上旬に幕開けとなる「蕭白ショック!!」展と8月下旬から始まる「KATAGAMI Style―世界が恋した日本のデザイン もうひとつのジャポニスム」展の2本です。
「蕭白ショック!!」展は、三重ゆかりの江戸期の絵師、曾我蕭白と京都の画家たちを取り上げる展覧会です。奇想の絵師、蕭白の魅力を余すところなくお伝えしたいと思っております。
「KATAGAMI Style」展は、型紙の西洋美術への影響を探る展覧会で、型紙の他、その影響を受けた西洋絵画や工芸品を展観いたします。こうした展覧会は日本初の試みです。
この他、「受贈記念 榊莫山」展(仮称) 「生誕140年記念平櫛田中」展(仮称) 「コレクションの全貌」展(仮称)を予定しています。
今年もご愛顧とご支援をお願いし、年頭の挨拶とさせていただきます。
(メールマガジンお正月特別号 2012年1月1日元旦発行に掲載)