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企画展 イケムラレイコ うつりゆくもの

2011年11月8日(火)から2012年1月22日(日)まで開催

 古くはパリ、戦前から戦後にかけてはニューヨークと美術の拠点は移り変わりますが、現在のアートの拠点としては間違いなくベルリンが挙げられるでしょう。

 ベルリンには、5つの美術館・博物館があり世界遺産に登録されている「博物館島」、駅舎を改装し広大な空間に現代美術を展示するハンブルガーバーンホフ現代美術館、フェルメールなどの作品を所蔵するベルリン絵画館など多くの美術館・博物館があります。ギャラリーの数も多く、観光客も、そこに暮らす人々も、気軽に美術を鑑賞することができる環境が整っています。

 加えて、作家にとっては、大都会でありながら近隣に緑も多く、アトリエの家賃も比較的安いことが、ベルリンに引きつけられる理由のようです。日本からも若手作家たちが留学先、制作場所としてベルリンに移り住むことも多いと聞きます。 

 そのベルリンで長年生活し、若い作家たちからも憧れと尊敬を集めているのが、イケムラレイコさんです。

イケムラさんがベルリンを生活拠点とすることになったのは、1990年代初頭にベルリン芸術大学(UdK)の教授に就任したことがきっかけだと伺っています。当時、まだ女性の教授はおらず、周りからの強い薦めもあって大学で教え始めたのだといいます。「イケムラ教室」には世界中から作家を志す学生達が集まっています。

 ベルリンに移る以前は、ドイツ西部のケルンで生活されていました。現在もベルリンとケルンにアトリエを構えておられ、ベルリンでは絵画を、ケルンでは彫刻をより多く制作しているようです。

 今回、展覧会のタイトルを「うつりゆくもの」としたのは、イケムラさんにとって「移動」が大きな意味を持っていると考えたからです。三重県津市に生まれ、高校時代までを津で過ごしたイケムラさんは、大阪外国語大学を経て、スペインに渡ります。スペインで美術大学に通い、卒業後スイスに移り作家活動を始めます。その後ドイツに移住されました。

 「旅行」もまたイケムラさんを語る上での重要なキーワードです。頻繁に世界各地を旅行され、ヨーロッパはもちろんのこと、アメリカやメキシコにも滞在し制作するなど、その行動力には驚くばかりです。

 場所を移ることで制作のヒントを得たり、作風に変化が生じたり、まさに「うつりゆく」ことで作品も「うつろって」ゆく。この度の展覧会では、作品を通して様々なうつりゆきを堪能していただけることと思います。

(学芸員 原舞子 友の会だより no.88 2011.11)

 

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