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美術館 > 刊行物 > 展覧会図録 > 2011 > ごあいさつ ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展図録

ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展図録

 

ごあいさつ

 

このたび、「ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展」を開催することになりました。長年にわたりグラフィックデザイン界のトップランナーとして活躍し、2009年に惜しまれつつ急逝した福田繁雄。日本のグラフィックデザイン黎明期の1950年代半ばから60年代にかけて、デザイナーとして歩みを始めた福田は、1972年に第4回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金賞、1975年には、《VICTORY 1945》によってポーランド戦勝30周年記念国際ポスターコンペでグランプリを受賞するなど、一躍その名を世界に轟かせます。

福田は、身体機能の一部である「視覚」を基本としたデザインを提唱し、同時に、機能主義、合理主義に傾きつつあった時代の流れにあって「遊び」を重視しました。視覚トリックを積極的に取り入れた大胆でユーモアあふれるそのデザイン性は、ポスターのみならず、絵本や玩具、立体作品など様々な領域の垣根を越えて発揮されています。「視覚」の世界を徹底的に遊び、常識にとらわれない自由な発想によって制作された福田の作品は、私たちに新鮮な発見と驚きを与えてくれます。

本展は、ポスター210点とトリックアートの立体作品約100点の他、初期の貴重なアイデアスケッチなども含め、福田繁雄の全貌に迫ろうとする大回顧展です。「ユーモアのすすめ」とは、福田が感銘を受けたという柳田邦男の著作『言葉の力、生きる力』の一節にある言葉です。本展を通じて、日本のグラフィックデザイン界を牽引した福田繁雄のデザインをお楽しみいただくとともに、「人間すべて『喜怒哀楽』の喜楽で行け」という福田の仕掛けるトリックの中に、私たちが生きるために大切なユーモアのエッセンスをもご堪能いただければさいわいです。

最後になりましたが、本展開催のために貴重な作品をご出品くださいました二戸市シビックセンター福田繁雄デザイン館、DNP文化振興財団、ご支援ご協力を賜りましたご遺族の皆様をはじめとする関係各位、ご協賛を賜りましたライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパンの各位に深く感謝申し上げます。

主催者

 

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