ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展
Sharpen your wit !
Shigeo Fukuda Super-Retrospective
2011年7月9日(土)~9月4日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし7月18日は開館)および7月19日(火)
観覧料:一般=800円(600円)
主催=三重県立美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会、中京テレビ放送
展覧会の内容東京に生まれ、少年時代を岩手県二戸市で過ごしたグラフィック・デザイナー福田繁雄(1932-2009)は、東京オリンピックや大阪万博へと日本が向かっていた時期に、戦後世代のデザイナーとしてその活動をスタートしました。1972年、ワルシャワ国際ポスター・ビエンナーレで金賞を受賞、1975年、『ポーランド戦勝30周年記念国際ポスター・コンペ』で最高賞を受賞するなど、国内外で広く活躍した福田の作品では、明快な単純化、軽快なユーモアのセンス、そして視覚による伝達への関心に根ざす、錯覚や錯視を利用した視覚トリックが一体化しています。福田のこうした特質は、グラフィック・デザインだけではなく、立体作品や著作にも強くあらわれています。
本展は、DNP文化振興財団所蔵のポスター210点と、二戸市シビックセンター福田繁雄デザイン館所蔵の立体作品約100点に加え、アイデアスケッチなど貴重な資料を紹介し、福田繁雄の全貌に迫る、過去最大規模の回顧展です。
当館としては、2009年10月の『大橋歩』展に続いて現代のデザインを紹介する企画展であると同時に、2010年2月の『トリック・アートの世界』展に続いて視覚の仕組みを問いかける企画展となります。 |
8月25日刊行の『芸術新潮』(2011年9月号)pp.102-107に、本展に関する記事「笑う門には福田繁雄来る(art news)」が掲載されました。
5月1日午前9時、NHK教育テレビ『日曜美術館』で、「平面と立体の境を飛び越えて 福田繁雄 『見ること』への情熱」が放映されました(再放送;5月8日午後8時)。
関連企画
講演会
「福田先生から受け継ぐもの」
講師:松下計(デザイナー、東京藝術大学准教授)
日時:8月20日(土)14:00-(1時間30分程度)
場所:美術館講堂
※参加無料 ※終了しました
夏休みこどもひろば「どっちもシルエット」
日時:8月6日(土)、7日(日)
午後1時から3時頃まで
※ 内容は2日間とも同じです。
対象:小学生
定員:各回につき20名程度(先着順)
参加費無料、要申込 ※終了しました
ギャラリー・トーク
担当学芸員が、展示室で展示作品について解説します。
日時:7月23日(土)、 8月13日(土)いずれも14:00から
※参加ご希望の方は、企画展入口にお集まりください。展覧会観覧券が必要です。 ※終了しました
友の会美術セミナー
「日本のポスター史と福田繁雄」
会場:桑名市民会館小ホール(〒511-0068 桑名市中央町3-20 TEL.0594-22-8511)
日時:7月16日(土)13:30-(1時間30分程度)
講師:石崎勝基(三重県立美術館学芸員)
※参加無料 ※終了しました
井上館長「遊び心あふれる『だまし絵』」(2011.6.11)
HILL WIND 28 「ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展」
友の会だより 87 「ユーモアのすすめ 福田繁雄大回顧展」
友の会だより 87 「表紙解説;福田繁雄《SHIGEO FUKUDA展》1975」
メール・マガジンのバック・ナンバーにも記事があります;第134号/2011.7.22、第135号/2011.8.12、および第136号/2011.8.26に掲載
三重県総合文化センター Mニュース Vol.87(2011年8月-10月)、p.11「福田繁雄のデザインとトリック」
福田繁雄 略歴
1932(昭和7)年 | 2月4日、東京都台東区に生まれる | |
1944(昭和19)年 | 12歳 | 母の実家岩手県二戸市に疎開 |
1948(昭和23)年 | 16歳 | 岩手日報に4コマ漫画を投稿、掲載される |
1953(昭和28)年 | 21歳 | 東京藝術大学美術学部図案科に入学 |
1956(昭和31)年 | 24歳 | 味の素株式会社広告部制作室に入社 |
『デザイナー三人展』(江島任・仲條正義・福田繁雄)、日本橋・丸善画廊(東京) | ||
1958(昭和33)年 | 26歳 | 河野鷹思を中心とする株式会社デスカの設立に参加 |
1959(昭和34)年 | 27歳 | デスカを退社、以後フリーで活動 |
1961(昭和36)年 | 29歳 | 林靖子(童画家林義雄の長女)と結婚 |
1962(昭和37)年 | 30歳 | 『わたしと国々』(形を読む絵本、朝日出版社)刊行 |
1963(昭和38)年 | 31歳 | 長女、美蘭誕生 |
絵本、玩具などの制作を始める | ||
1965(昭和40)年 | 33歳 | 『グラフィックデザイン展ペルソナ』(粟津潔、宇野亜喜良、片山利弘、勝井三雄、木村恒久、田中一光、永井一正、福田繁雄、細谷巌、横尾忠則、和田誠)、松屋銀座(東京) |
『福田繁雄デザイン展"&"』、日本橋・丸善画廊(東京) | ||
1966(昭和41)年 | 34歳 | 『空間から環境へ』展、松屋銀座(東京) Cf. 『美術手帖』no.275、1966年11月号増刊 |
『第2回ブルノ国際グラフィック・デザイン・ビエンナーレ』(チェコスロバキア)で《ROMEO AND JULIET》(線を読む本、1963-65)が奨励賞を受賞 | ||
1967(昭和42)年 | 35歳 | 個展 Toys and Things Japanese: The Work of Shigeo Fukuda、IBMギャラリー(ニューヨーク) |
1969(昭和44)年 | 37歳 | 日本万国博覧会サイン計画参加;サイン、ピクトグラムを制作 |
『今日の作家'69』展、横浜市民ギャラリー | ||
1970(昭和45)年 | 38歳 | 『中村誠+福田繁雄 モナリザ100微笑』展、壱番館画廊(東京);翌年ルーヴル装飾美術館(パリ)、他へ(Japon-Joconde) |
『おもちゃ』(美術出版社)刊行 | ||
1975(昭和50)年 | 43歳 | 『ポーランド戦勝30周年記念国際ポスター・コンペ』(ワルシャワ)で《VICTORY》が最高賞を受賞 |
1977(昭和52)年 | 45歳 | 東京藝術大学美術学部デザイン科非常勤講師;'80年に常勤講師、'81年に助教授(~'86年) |
『現代美術の鳥瞰 明日を探る作家たち』展、京都国立近代美術館 | ||
『新技法シリーズ 55 アイデアのエレメント』(美術出版社)、『アート・テクニック・ナウ 11 福田繁雄の立体造形』(河出書房新社)刊行 | ||
1978(昭和53)年 | 46歳 | 『福田繁雄 標本箱』(美術出版社)刊行 |
『空間の美=美は生きている』展、栃木県立美術館 | ||
JAGDA(社団法人日本グラフィックデザイナー協会;同年設立)理事;2000年に会長就任 | ||
1979(昭和54)年 | 47歳 | 『福田繁雄作品集』(講談社)刊行 |
1980(昭和55)年 | 48歳 | 『まがいものの光景 現代美術とユーモア』展、国立国際美術館(大阪) |
1982(昭和57)年 | 50歳 | 『視覚サーカス』展企画、松屋銀座(東京);'85年に『視覚サーカス'85』 |
『視覚トリック』(六耀社)、『福田繁雄のポスター』(光村図書)刊行 | ||
1984(昭和59)年 | 52歳 | 『現代のユーモア』展、埼玉県立近代美術館 |
『福田繁雄の視覚からくり展』、新宿・伊勢丹美術館(東京) | ||
1986(昭和61)年 | 54歳 | 『福田繁雄のからくりデザイン』(新潮社)、『福田繁雄:イラストリック412(美術手帖1986年3月号増刊)』(美術出版社)刊行 |
1987(昭和62)年 | 55歳 | 『4-G.D ポスターとマーク 亀倉雄策・永井一正・田中一光・福田繁雄』展、富山県立近代美術館、他 |
1989(平成1)年 | 57歳 | 『ザ・トリック』展実行委員、松屋銀座(東京)、他 |
1991(平成3)年 | 59歳 | 『福田繁雄偉作集 アイデア別冊』(誠文堂新光社)刊行 |
1993(平成5)年 | 61歳 | 『ggg Books-8 福田繁雄』(トランスアート)刊行 |
1995(平成7)年 | 63歳 | 『第6回現代芸術祭 遊迷アート・福田繁雄展』、富山県立近代美術館 |
1996(平成8)年 | 64歳 | 『デザイン快想録』(誠文堂新光社)刊行 |
1997(平成9)年 | 65歳 | 『福田繁雄のポスター 視覚の遊気』展、東京国立近代美術館フィルムセンター |
通産大臣デザイン功労賞、紫綬褒章を受章 | ||
1999(平成11)年 | 67歳 | 二戸市シビックセンター福田繁雄デザイン館オープン |
2000(平成12)年 | 68歳 | 『福田繁雄のトリックアート・トリップ』(毎日新聞社)刊行 |
2001(平成13)年 | 68歳 | 『福田繁雄展《終りの始まり》 福田美蘭展《99年から新作絵画まで》』、世田谷美術館 |
2005(平成17)年 | 73歳 | 『福田繁雄展 トリックアート面白世界』、霧島アートの森 |
2007(平成19)年 | 75歳 | 福田繁雄設計藝術館オープン、東方設計學院内(台湾、高雄) |
2008(平成20)年 | 76歳 | 『タイムトンネルシリーズ Vol.27 福田繁雄 ハードルは潜kuguれ』展、ガーディアン・ガーデン、クリエイションギャラリーG8(東京) |
『福田繁雄 DESIGN 才遊記 ggg Books別冊-6』(DNPアートコミュニケーションズ)刊行 | ||
2009(平成21)年 | 1月11日、逝去 | |
2010(平成22)年 | 『DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展Ⅲ 福田繁雄のヴィジュアル・ジャンピング』、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(東京)、dddギャラリー(大阪)、CCGA現代グラフィックアートセンター(福島県須賀川市) |
◆本展は、以下の会場に巡回する予定です;
岩手県立美術館 |
2011年4月19日(火)~6月26日(日) *開催中止となりました。 一日も早い復興をお祈り申し上げます。 |
(三重県立美術館) | |
2011年9月17日(土)~11月6日(日) |
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2011年11月12日(金)~12月18日(日) |
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2012年2月21日(火)~3月31日(土) |
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2012年4月14日(土)~6月24日(日) |
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札幌芸術の森美術館 |
2012年7月14日(土)~9月2日(日) |
※展覧会会期は変更になる場合がございます。
※各会場の展覧会に関する情報は各美術館にお問い合わせください。
◆本展は、企画展示室および柳原義達記念館展示室Bを用いて展示しています。
美術情報室でも、関連資料をミニ展示しています。出品リスト
また、常設展示室の第2室では、関連企画として、「トリック・アートとグラフィック・デザイン」を展示しています。出品リスト