ごあいさつ
三重県立美術館は、1982(昭和57)年に開館し、2002(平成14)年に20周年を迎えました。開館以来、特色のある美術館活動を進めるために、所蔵品の充実に努めているところですが、現在では約5,000点を数えるようになっています。
これらの所蔵作品については、常設展、企画展等で広く公開していますが、全体を紹介するものとしては、これまで数度のコレクション展を大々的に開催しており、また開館5周年、10周年を記念して出版された二冊の所蔵品目録があります。
今回、20周年を記念して、美術館が増改築され、新しく生まれ変わりました。この機会に、これまでの20年間に収蔵したコレクションの中から、主要な作品を取り上げた選集を刊行することになりました。この選集では、所蔵作品の名品を網羅するだけでなく、それぞれテーマを設けて、豊富なカラー図版とともに、所蔵作品の美術史的位置付け、意義を解説しています。図版を見て、解説を読んでいただければ、当美術館の収蔵品の内容、収蔵の方向について、より具体的に感じていただけるものと思います。解説文は過去の常設展示に使われた解説文をはじめ、これまでの美術館活動の中から生まれたものも多く含まれます。したがってすでに退職された学芸員諸氏の書いた文章も収録させていただきました。その意味でも三重県立美術館の20年の集大成といえるでしょう。
最後になりましたが、貴重な作品をご寄贈していただきました(財)岡田文化財団、美術家、ご所蔵家をはじめ、当美術館の活動にご支援、ご協力いただいている関係各位に、厚くお礼申し上げます。
2003年11月
三重県立美術館