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ごあいさつ

 このたぴ,三重県立美術館では「湯原和夫展」を開催いたします。1930年,東京都に生まれた湯原和夫は,1961年,東京芸術大学彫刻科を卒業後まもなく第2回丸善美術奨励賞大賞受賞者に選ばれ,フランスに渡り,ながくパリを拠点として制作活動をおこなってきた彫刻家のひとりです。

 留学まえの具象形態をのこしたかたちは,パリでのおおきな展開のなかで姿を消し,単純でしかも力づよい大きさをかんじさせる抽象造形へとすっかり変貌することになりました。作品のまわりにつきまとう叙情性を潔癖に排し,物質の素材感をいかしながら,形而上学的な存在性へまでたかめようとする意志があらわれているところに湯原和夫の作品の特徴がみられます。

 グッゲンハイム国際彫刻展,第10回サンパウロ・ビエンナーレ,万国博覧会美術展(大阪)などの展覧会に出品,数多くの作品が欧米のコレクターに所蔵されるほど充実した活動をつづけてきました。1980年からは拠点を日本に移し,その作品も厳しさのかわりに豊かさをみせはじめているようです。

 本展は,初期作品「横たわる人」から最新作の「意味の自由区」までの湯原和夫の歩みを,立体作品60点とドゥローイング110点によってたどろうとするものです。この展覧会を通して,現代彫刻の妙味とあらたな造形のための実験精神の一端忙ふれていただきたいと考えます。

 本展開催にあたり,貴重な作品を快くご出品くださいました所蔵家の皆様,ならびに関係各位に厚くお礼申し上げます。

1988年9月

三重県立美術館

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