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『浅野弥衛展』図録(1996)

ごあいさつ

 三重県立美術館では、現代の美術界の第一線で活躍する作家を一人取り上げ、その創造の全体像を紹介する展覧会を毎年開催してきました。このシリーズの一つとして、今年度は、一貫して抽象絵画の世界を展開してきた浅野弥衛の、過去から現在までの姿を紹介する浅野弥衛展を開催いたします。

 浅野弥衛は、1914年三重県鈴鹿市に生まれましたが、その独自のスタイルを確立したのは、1950年代に入ってからです。ほとんどの作品は抽象的なもので、多くは白と黒のモノクローム、そして線を主体にしたものです。厚く塗ったマティエールを刻むことで得られた線が自在に戯れる、そんな画面が浅野の典型的な作風をなしています。 50年代後半以降、大きな変化をしめすことのなかった彼の作風は、一見単調に見えるかもしれません。しかし彼の世界に入りこもうとする者は、そこに実に豊かな変化が秘められていることに気づくことでしょう。決して声高にメッセージを訴えかけることはありませんが、そのマティエールと線の動きは、時に緊張感をたたえつつ、柔軟で親密な気分を感じさせます。今回の展覧会は、こうした浅野弥衛の、現在にいたるほぼ40年間の作品約250点を展示して、その活動の全貌を紹介しようとするものです。

最後に、展覧会を開催するにあたり、貴重な作品をご出品いただきました美術館、所蔵家の方々、調査等にご協力いただきました皆様、ご協賛いただきました(財)岡田文化財団、その他関係各位にあつくお礼申し上げます。

1996年1月

主催者

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