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ごあいさつ

 このたび、日本彫刻の近代化に大きな役割を果たした高村光太郎(1883〜1956)と、智恵子(1886−1938)の展覧会を開催することになりました。

 光太郎は、明治木彫界の重鎮、高村光雲の長男として東京下谷に生まれ、東京美術学校を卒業後、欧米に留学、二十世紀初頭の芸術運動に触れて帰国します。以後、彫刻を制作するかたわら、「緑色の太陽」に代表される評論や、評伝『ロダン』などを発表し、西欧の近代思潮を精力的に紹介しました。一方、その妻で画家でもあった智恵子は、一時婦人運動に参加し、時代の先端にいた女性として知られています。

 さて、光太郎といえば、『道程』や『智恵子抄』などの詩作が有名で、一般にそのようなイメージで受け取られてきたきらいがあります。しかし、彼が彫刻制作を最優先に考えていたことは、著作などによって明らかであり、詩作することによって造型から文学的なものを排し、造型の理想を追い続けたものと思われます。従って本展では、光太郎の造型世界に焦点を絞り、彫刻、絵画、書、各分野の主だった作品を展観いたします。また智恵子の、最後に行きついた紙絵をあわせて展示することにより、芸術家としての二人の足跡を振り返ろうとするものです。

 開催にあたり、ご愛蔵の作品を快く出品して下さった美術館、ご所蔵家の皆様に深く感謝するとともに、本展実現のためご協力いただいた高村光太郎記念会、ご協賛下さいました花王株式会社、そしてお力添えいただいた関係各位に対し、厚くお礼申し上げます。


1990年

主催者

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