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あいさつ

 大正洋画史に特異な足跡を残した夭折の画家、関根正二は、明治32年阿武隈川の流れる福島県白河に生まれ、上京後は深川に居住しぞ画家としての人生を歩むことになります。その後、伊東深水や河野通勢あるいは安井曽太郎らの才能ある画家たちと邂逅し、関根はつぎつぎに個性豊かな絵画の境地を開きました。

 わずか二十歳の短い生涯は、日本洋画のアカデミズムとはまったく無縁であって、残された作品中には、関根独自の鮮烈な朱と清澄な青を基調とする「子供」(大正8年)や、自己の重苦しい内面を表白する「三星」(大正8年)、さらに幼児期に暮らした郷里白河への回想から生まれた「姉弟」(大正7年)などの傑出した絵画が含まれています。第5回二科展で樗牛賞を受けた「信仰の悲しみ」(大正7年〉など、その命をかけた全画業は、大正時代の青春と形容するにふさわしく、あたかも一瞬の光芒を放つ流星のごとく、清冽な若々しさと憂愁に沈みゆく孤独感を漂わせています。

 また、絵画制作のかたわらに詩を書く文学青年の一面を見せた関根は、今東光らの小説家をはじめ、大正時代を代表する多くの芸術家たちと親交を深めました。

 本展は、福島県立美術館と三重県立美術館との共同企画展として、幻視の画家、関根正二の油彩、水彩、素描など106点と、同時代に活躍した画家たちの作品66点を加えて、関根正二を中心とする大正洋画の世界を紹介するものです。

 本展開催にあたり、貴重な作品を快くご出品くださいました美術館、博物館、所蔵家の皆様、ならびにご支援を賜りました関係各位に厚くお礼申し上げます。

1986年

主催者

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