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あいさつ

ヨーロッパを訪ねた人から、しばしば、大聖堂や宮殿、美術館で、どっしりとかまえるルーベンスの大作に圧倒された、という話を開きます。壮大なスケール、ダイナミックな躍動感、輝かしい色彩の中に繰り広げられる“豪華絢爛(けんらん)”の世界からは、豊かで華やかな17世紀ヨーロッパの王侯貴族の生活の息吹が感じられます。

外交官としても多忙だったルーベンスですが、62歳の生涯で2,000点を超えるぼう大な数の作品を残しています。これは、専門家や工房の弟子たちと共同制作を行ったためで、ルーペンスが下絵を描いて、大画面に写して弟子たちが彩色し、最後にまた巨匠が筆をとって全体の統一をはかる、などといった方法もとられました。現代に置き換えてみれば、建物を設計し実際の建築は他に委ねる建築家のような役割を、この画家は担っていたとも言えます。こうしてできあがった完成作をもとに、弟子たちが同構図の作品を描いたり、版画にしたり、また模写したり、と様々な形でルーベンス芸術はヨーロッパ各地に浸透していったのです。

このたび、日本で初めて、ルーベンスの回顧展を開催することになりました。巨匠自身による作品、工房作品など出品されている油彩50数点を初め、素描・版画などすべて日本初公開で、この中には貴重な板絵の作品も数多く含まれています。西洋美術史に大きな足跡を残した画家の全貌をご紹介できますことは、主催者にとりまして大きな喜びです。

ここに、貴重な作品を貸して下さった美術館と個人コレクターの皆様、ディディエ・ボダール氏ならびに本展を後援していただいた外務省、文化庁、ベルギー大使館等の関係各位に対し、心から感謝申し上げます。

1985年8月

主催者

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