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ごあいさつ

このたび,ピーテル・ブリューゲル全版画展を開催できますことは,主催者一同にとりまして大きな喜びであります。

ピーテル・ブリューゲル(父)は,16世紀のフランドル美術を代表する画家であり。豊かな想像力を駆使して人間存在の表と裏とを描き尽し,また鋭い諷刺表現によって社会の偽善や欺瞞を突きました。彼の芸術は,20世紀末の今日なお,その意味と輝きを失わず,生き生きとした精神的躍動によって私たちの関心を引きつけてやみません。彼は,民衆の間に伝えられた諺や寓話,聖書や神話の物語そして農民風俗など,実に多彩なテーマを取り上げて制作しております。それらの一つひとつの作品が。時には残酷なまでにあからさまに人間の営みを表現しているのです。

本展には,ピーテル・ブリューゲル(父)の作品として現在確認されている95点の版画を一堂に展示いたしております。これらの版画には,彼の油彩画と同じく,実に表情豊かな描写を見ることができます。それらは,彼の想像力と思想を余すところなく示しているのです。この機会に,美術に関心を抱く多くの人々に,ピーテル・ブリューゲル(父)の芸術の持つ意義を,いよいよ深く認識して項ければまことに幸いであります。

また,この展覧会カタログが,ピーテル・ブリューゲル(父)の版画を知る上での基本的資料のひとつとして活用されるよう望んでおります。

最後となりましたが,本展の開催にあたり,貴重な作品の貸出しをご快諾下さいましたベルギーのアルベールT世王立図書館をはじめとする所蔵者各位,ならぴに絶大なるご協力とご支援を賜りました関係各位に対し,心より御礼を申し上げます。

1989年

主催者

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