抽象表現主義 (Abstract Expressionism)
第二次世界大戦後,1950年代のアメリカに起こった抽象絵画の運動。ヨーロッパのアンフォルメルに呼応しているが,人間を包み込むような圧倒的な画面の大きさ,中心的な焦点を持たないオールオーヴァー(画面のすみずみまで均質に描かれた)な画面を持つという点で区別される。この運動はヨーロッパ美術の伝統から解放された,最初のアメリカ的な美術である。抽象表現主義の中には,偶然を伴った激しいアクションで画面を埋めつくす「アクション・ペインティング」派,モノクローム(単色)の画面や清楚な色彩のたらしによって茫洋とした宰領的な空間を作りあげる「カラー・フィールド・ペインティング」派,不定形で抽象的なイメージを不安定な空間の中に浮遊させる「抽象的イメージ派」などが含まれる。
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